角田裕毅に試練の夏…17歳“英国の星”台頭、夏休みまでの3戦でF1残留アピールなるか

2025年07月05日(土)4:57 am

記事要約


・角田のFP1はリンドブラッドが代走、17歳が0.5秒差で好走

・FP2で角田は15番手、セットアップ確認で5回ピットイン

・明日のFP3と予選で角田の“対応力”が試される重要な一日へ


F1イギリスGPの初日午前、フリー走行1回目で角田裕毅のマシンにアービッド・リンドブラッドが乗り込んだ。イギリス人の若干17歳、レッドブルが期待を寄せる次世代スターだ。

初めて“闘牛”こと「RB21」に乗り込み、クラッシュすることなく、チームメイトのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)から0.526秒差というまずまずのF1公式セッションデビューを飾った。

角田裕毅の現在地

一方で気がかりなのが、今季ここまで苦戦が続いている角田裕毅(レッドブル)だ。チーム側は「今年中のシートは保証されている」と明言しているものの、現状では来季のレッドブル・レーシング残留はもちろん、他チームですら角田の真の実力を測りきれず、F1キャリアが途絶えてしまうのではという声も、有識者の間で囁かれ始めている。

かねてより、レッドブル・レーシングのマシンは非常に敏感で、スイートスポットが狭く、手懐けるのが難しいとされてきた。それでもF1で5年目となる角田にとっては、そろそろ本来の実力を結果として示したいところだ。

夏休み前に迫る3戦

夏休みは移籍市場が本格化するタイミング。夏までに残されたのはイギリス、ベルギー、ハンガリーの3戦のみ。仮に残留を果たすにしても、あるいは移籍するにしても、まずは「速さ」で存在感を示さなければならない。

F1という世界は、誰かの成長をじっくり待ってくれるほど甘くはない。次々と台頭する若い才能たちは、わずかな空席を奪おうと虎視眈々と狙っている。

5年前、角田裕毅はF2での実力とホンダのバックアップによってF1シートを獲得した。しかし来季、レッドブルとホンダは袂を分かち、アストンマーティン・ホンダ側には空席がない。つまり、角田がF1に残り続けるには、夏休み前に何が何でも結果を残す必要がある。これはプレッシャーをかけているのではなく、F1界の常識だ。F1は、角田の成長を見守って待ってくれるような優しい場所ではない。

角田裕毅のイギリスGP金曜日

そんな中で迎えたイギリスGP初日、角田裕毅と周囲のドライバーたちの“現在地”を見てみよう。

まず角田と新人リンドブラッドを比較すると:

FP1
10番手 フェルスタッペン
14番手 リンドブラッド(両者は0.526秒差)

FP2
5番手 フェルスタッペン
15番手 角田裕毅(両者は0.666秒差)

角田とリンドブラッドは、フェルスタッペンとのタイム差だけを見ると、同等か、むしろリンドブラッドのほうが速いという結果にも見える。どんな理由があろうとも、モータースポーツの世界では「結果」がすべてであることを、ドライバーたちは誰よりも理解している。

フェルスタッペンのペース変化

FP1:10番手(トップから0.540秒差)
FP2:5番手(トップから0.498秒差)
午前と午後で、わずか0.042秒ながらタイム差を詰めており、フェルスタッペンらしさが光るセッション内容だった。

トップタイムの推移

FP1:1:26.892(ルイス・ハミルトン/フェラーリ)
FP2:1:25.816(ランド・ノリス/マクラーレン)
午前から午後にかけて、全体のトップタイムは1.076秒も向上している。

ドライバー全体のタイム改善

・ハミルトン:1:26.892 → 1:26.117(0.775秒短縮)
・ノリス:1:26.915 → 1:25.816(1.099秒短縮)
・ルクレール:1:27.095 → 1:26.038(1.057秒短縮)
・フェルスタッペン:1:27.432 → 1:26.314(1.118秒短縮)

FP2での巻き返しとセットアップ作業

対して角田は、FP1でマシンをリンドブラッドに譲ったため、1時間まるごと走れていない。これは大きなハンデだ。

さらに午後のFP2では気温が2℃、路面温度が3℃上昇する中、新品・中古のミディアムタイヤとソフトを短時間で履き替えながら、わずか1時間で5回のピットインと6種類のセットアップを試すという、非常にタイトなプログラムをこなした。

焦らず、マシンの挙動を一つずつ確認しながら、丁寧にデータを蓄積しようとしている姿が見えた。細かくセットアップ確認をしていたのは、いい方向に進んでいるからか、それともいずれも予測と噛み合わず納得いっていないのか。いずれにせよ、その判断は明日の走りに表れるはずだ。

若武者の潜在能力と王者との差

一方、17歳のリンドブラッドは、速さに定評のある角田裕毅に迫る走りで、そのポテンシャルの高さを印象づけた。

とはいえ、どのドライバーが相手であっても「0.5秒速い」のがフェルスタッペン。今回もその構図に変化はなかった。つまり、角田が「特別遅い」というわけではないことも明らかだ。

ただし、RB21はスイートスポットが非常に狭く、かつ敏感すぎる特性を持つ。わずかなズレが挙動の乱れにつながるため、瞬時にスタイルを変える柔軟性とマシン適応力が強く求められるのは間違いない。

生き残りへの覚悟

角田は、前戦オーストリアGPでアライヘルメットからシューベルト製に変更した。これも、レッドブル・レーシングのマシンRB21が、フェルスタッペンが着用するシューベルトに合わせて空力が考えられているためだが、たった0.001秒でも今できることはなんでもする、という角田の決意の表れだ。実際、できることはなんでも試すと本人も語っている。

アスリートとしては、安定した速さと結果を残せる安定感は間違いなく重要だ。しかしF1で重要なのがマネジメントでもある。オーナーや代表と蜜にコミュニケーションを取り、なんでも話し合えるくらいの良い関係性を構築し、最新情報をキャッチして情勢を見極め、戦略を実行する力。そして、精神を落ち着かせ前向きにさせやる気を起こさせるメンタリングも重要だ。

F1界に顔が利き、若いドライバーの精神安定剤にもなり、安心してドライバー業に集中できる環境作りをさせてあげられるか。今のマネジメント体制を批判したいわけではない。業界経験豊富な人物がもう一人いても損にはならないだろう。

FP3で問われる“対応力”

明日のFP3で、角田裕毅がこの“暴れる闘牛”をどこまで乗りこなせるか――今後の命運を占う走りとなるかもしれない。
見守る我々も、たとえフリー走行とはいえ、思わず緊張感が高まる。角田がもう一度、自信と笑顔を取り戻し、F1の舞台で躍動する姿を見たい。

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