モンツァが“スピードの神殿”ではなくなる? F1新規則の根本欠陥を元フェラーリエンジニアが警告
記事要約
・ノールスが2026年F1規則はドライバーを限界以下で走らせると批判
・エネルギー不足により、高速コーナーで攻めずに走る矛盾を指摘
・マイアミでの調整も即効薬にはならず、根本的欠陥は残ると警告
■ドライバーを“限界以下”で走らせる 元フェラーリエンジニアが警鐘
元フェラーリエンジニアのアーネスト・ノールスは、F1の新レギュレーションには根本的な欠陥があると指摘した。ドライバーが全開で攻め続けられない仕組みになっているためだ。
ノールスはオランダ紙『Algemeen Dagblad』に対し、次のように語った。
「今のルールは、限界まで攻めてはいけないと定めているようなものです。それは本当に間違っています」
BMWでも働いた経験を持つノールスによれば、核心にある問題はエネルギーだという。
「唯一の批判点は、残念ながら支配的な部分でもあります。あのマシンにはエネルギーが足りなすぎるのです」
■モンツァが“スピードの神殿”ではなくなる?
ノールスは、その影響が最もはっきり表れるのは、イタリアの伝統的な高速サーキットだと警告した。
「モンツァは“スピードの神殿”でしょう? それが“ノースピードの神殿”になってはいけません。おそらく、ストレート上よりもパラボリカ※の出口の方が速いということになりかねないと思います。彼らは本当に何か手を打たなければなりません」
※パラボリカ:モンツァ・サーキットにある高速最終コーナーの名称
■速く走るために“攻めない”矛盾
ノールスは、現在の考え方はレースの本質を逆転させていると指摘する。
「グリップが少なく、空力も少なく、重量も軽いパッケージを作るのであれば、ドライバーには高速コーナーで限界まで攻め、自分の才能と度胸を見せられるようにしてほしいはずです。しかし、1周全体で速く走るためには、本来なら差を生み出せるそのコーナーで、実際には限界以下で走らなければならない。ストレートに必要なエネルギーを残しておくためです」
ノールスは、これによってF1の特別さが失われると語った。
「ストレートで速く走ることなら、あなたも私もできます。ただアクセルを踏めばいいのです。しかし、優れたドライバーが差を生み出すまさにその場所で、ルールがマシンでできることを制限してしまう。それは、このスポーツをずっと面白くないものにしてしまいます」
■マイアミでの修正も即効薬にはならず
今週末のF1マイアミGPで導入される調整が助けになる可能性はあるものの、ノールスはすぐに解決するとは見ていない。
「そうは思いません。事実上、新しいマシンを作らなければならないからです。ですから、今あるものをどう使うのか、という問いから始めるしかありません。つまり、既存の調整項目を動かしていくことになります」
現時点では、根本的な問題は残ったままだとノールスは語る。
「現在も、ルールは限界まで攻めてはいけないと定めているようなものです。なぜなら、そうすると1周全体では遅くなってしまうからです。そして、それこそがこの規則そのものが抱える欠陥なのです。」
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