・F1エンジン見直し議論は合意に至らず、妥協案で決着
・燃料流量増加案もメーカー間の思惑が障壁となり合意ならず
・元F1ドライバーは、ドライバーの声を軽視したことが原因と指摘
F1首脳陣は、最近行われた危機会合において、より根本的なエンジン変更について合意に至らず、関係者によれば「妥協案」に落ち着いた。
ドイツ誌の『Auto Motor und Sport』のトビアス・グリューナーは、物議を醸している2026年レギュレーションに関する議論について、「建設的ではあったが、最終的にはいつものように“最大公約数”での合意となった」と報じている。
議論の中心となったのは、極端なエネルギー管理を緩和し、レースの質を向上させるために、パワーバランスを内燃機関側へ戻すべきだという声の高まりだった。
FIAの技術責任者ニコラス・トンバジスも、現状に課題があることを認めている。
「エネルギー比率が一定の閾値を下回ると、エネルギー管理で問題が生じるのは事実です。我々は当初からそれを認識しており、さまざまな妥協点を緩和する取り組みを行ってきました。マシンは想定よりやや速くなり、チームも想定以上のダウンフォースを見つけました。その結果、ブレーキング時に回収できるエネルギー量が、我々の期待よりやや少なくなっています」
解決策として、燃料流量を増やし、エンジン出力を高める案も検討されたが、最終的な合意には至らなかった。
FIA関係者のヤン・モンショーは次のように語っている。
「議論の中では、電動要素を減らし、ガソリン流量を増やす案も検討されました。しかし、それにはいわゆる“スーパー多数決”が必要でした。つまり、多くのメーカーの同意が必要だったのです。しかし合意は得られませんでした。私たちが彼らの頭越しに決定することはできません」
合意に至らなかった理由についても明確に説明している。
「ある者は『これは自分に有利になる』と考え、別の者は『今レースに勝っているのだから変更したくない』と考える。そしてさらに別の者は『新しいエンジン開発には16か月必要で、2027年は現実的ではない』と言うのです」
この結果、大幅な変更は少なくとも2028年まで先送りされる可能性が高い。
一方、元F1ドライバーのパトリック・フリーザッハーは、今回の状況は事前に防げた可能性があると指摘する。
「マックスは1年半前にこの種の問題を提起していたと思いますし、カルロス・サインツも同様でした。本来であれば、もっとドライバーの声に耳を傾けるべきでした。彼らは実際にマシンに乗っているのです。このようにすれば、こうした問題は防げたはずですし、将来も起こらなくなるでしょう。」
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