ハースF1チームは現在、オランダを離れることができない状況にある。
●【2024F1第15戦オランダGP】全セッションの結果・タイムスケジュール
■差し押さえと出国禁止
レース後には、法的権限に基づき、オランダの警察と執行官がチームのガレージに入り、レースカー、モーターホーム、トラック、その他の機材を差し押さえた。
ハースは週末の間、機材を使い続けることはできるという。
これは、2022年のロシア・ウクライナ紛争に関連して解約されたスポンサー、ロシアの肥料会社『ウラルカリ』に対する約1,000万ドル(約14億円)の返済が行われていないためで、返済しない限り、チームは同国からの出国を禁じられている。
元ハースのF1ドライバーだったニキータ・マゼピンの元スポンサー『ウラルカリ』のオランダ人弁護士ユルヘン・デ・コルテ氏は「彼らはすべての機材の所在を我々に知らせる必要があります。もし彼らが従わないのであれば、それは犯罪行為です。彼らには時間があったのに、まるで逃げ回っているかのようでした。ボールは彼らのコートにあるのですから、解決策を見つけなければなりません」と述べた。
ハースは6月、スイス仲裁裁判所でスポンサー料の返済を命じられていた。
■ハース、返済する「つもり」
ハースは声明で、返済する「つもり」であるとしながらも、複雑な対露制裁措置への対応に苦慮していると述べた。
「今後数日間にわたってウラルカリ社と協力し、最終的にこの問題を解決するつもりです」とチームは述べている。
小松礼雄チーム代表は金曜日、「我々は一切争っていませんが、資金の移動には複雑な手続きが必要なのです」と語った。
チームが早急に解決策を見つけられなければ、来週末のイタリアGPを欠場する可能性もあり、もしそうなればF1との契約違反になる。
■ウラルカリ「当然の結果」
しかし『ウラルカリ』は自社のプレスリリースで全く同情していない様子だ。
「これは、ハースがウラルカリへの支払いやレースカーの提供を命じた裁定に従うことを拒否したことによる当然の結果です」
「これまで、ハースが義務を果たすことを妨げる制裁措置の問題は存在しませんでした。しかし、義務は果たされていません」
「昨夜、オランダ当局が訪問したことを受け、ハースがようやく裁定に従うことに注目していると聞き、我々は喜んでいます」