【メルセデスF1】0.3秒速くなるはずが・・・大型アップデートが逆効果? ウォルフ代表も驚き「ここまで裏目に出たことは、これまで一度もない」
メルセデスがセパンに投入した大型アップデートは、期待通りの効果を発揮できていないようだ。約0.3秒の向上を見込んでいたものの、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションを獲得した予選では、2台ともトップ3入りを逃した。メルセデスF1のトト・ウォルフ代表は、マシンがかえって遅くなっている可能性を指摘した。
■約0.3秒の向上を期待した大型アップデート
今回のパッケージは、メルセデスが長期間にわたって開発してきたものだ。投入にあたり、選手権首位のアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は、次のように期待を語っていた。
「0.3秒と聞いています。大きな前進ですが、何カ月にもわたる作業の成果だということも忘れてはいけません」
チームメイトのジョージ・ラッセルも、5月以降ほとんどアップデートを投入していなかったことを踏まえ、今回の変更を大きな前進と評価していた。ラッセルによると、主な狙いはダウンフォースの増加で、メルセデスの強みであるストレートでの高い空力効率を維持することも目指していた。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モーター・ウント・シュポルト)』は、サイドポッドとエンジンカバーの形状が大幅に変更されたと報じている。フロアやマシン後方へ向かう傾斜がより強調され、フロア下面にも変更が加えられたという。
■ウォルフ代表「ここまで裏目に出たことは一度もない」
しかし、予選後のウォルフ代表は、想定を大きく下回る結果に驚きを隠せなかった。『Sky Deutschland(スカイ・ドイツ)』に次のように語った。
「アップデートがここまで裏目に出たことは、これまで一度もありません。速くなるはずのアップデートを持ち込みました。ところが、逆の方向に進んでしまい、今は0.6秒も遅れています」
期待していた約0.3秒の向上に対し、実際にはマシンが遅くなっているように見えるという。
「0.3秒の向上を期待していたのに、逆に0.3秒、0.4秒、あるいは0.5秒遅くなっているように見えます」
■空力効率の維持を狙うも、ストレートでタイムを失う
メルセデスが特に驚いたのは、ストレートでのパフォーマンス低下だった。空力効率を維持しながらダウンフォースを増やす狙いとは裏腹に、ウォルフ代表は空気抵抗の増加を疑っている。
「空気抵抗が非常に大きくなっているように見えます。ストレートで、特にマックスに対してこれほどタイムを失うのは初めてだからです」
問題はストレートだけではなかった。
「さらに低速区間では、ターン2でマシンを曲げられません。全体として、今季これまで見られなかったことが起きています」
『Auto Motor und Sport』は、セパンの粗い路面と厳しい暑さによって、マシンの挙動に普段とは異なる問題が生じている可能性を報じている。ただ、ラッセルは、それだけでは十分な説明にならないと認めた。
バクーでポールポジションと優勝を獲得したラッセルは、データと実際の速さが一致していない状況を説明した。
「すべての数値は、改善していることを示しています。それでも、このスポーツで重視しなければならないのはラップタイムであって、数値が何を示しているかではありません」
■アントネッリは判断保留、ウォルフ代表は決勝にも厳しい見方
一方、アントネッリは、今回のパッケージについて、早々に否定的な結論を下すべきではないと指摘した。
「路面のせいなのか、それとも、これほど暑いせいなのでしょうか? あるいは、新しいパッケージについて、僕たちが何かを見落としているのでしょうか? おそらくシンガポールで、このパッケージをより正確に判断できるでしょう」
アントネッリは、イザック・ハジャー(レッドブル)のグリッド降格ペナルティにより、決勝を3番手からスタートする。ただ、ウォルフ代表は日曜日の決勝に向けても厳しい見方を示した。
「今のようにストレートでこれほど遅れていては、チャンスがあるとは思えません」
■オースティンでのエンジン更新も未定
空力パッケージの評価が課題となる一方、今後のエンジンアップデートについても、投入時期は決まっていない。
メルセデスがオースティン(アメリカ)でADUOを利用したエンジンアップデートを投入し、ターボにも変更を加える可能性があるという報道について、チームは『Auto Motor und Sport』に対し、現時点では何も決定しておらず、今後のグランプリの状況を見極める方針だと説明している。
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