フェリペ・マッサ(フェラーリ)は、チームに多額の資金を持ち込み、その見返りとしてF1のレースシートを獲得するいわゆるペイドライバーたちを、「売春婦」になぞらえた。
8年にわたってフェラーリで活躍したマッサは、今週末に母国で開催される2013年F1最終戦ブラジルGPを最後にウィリアムズへ移籍する。
現在、ベネズエラの国営石油会社PDVSAから巨額の支援を受けるパストール・マルドナード(ウィリアムズ)の後任ドライバードライバーとしてウィリアムズ入りするため、マッサもブラジルのスポンサーを持ち込むものと思われていた。
しかしマッサは、ウィリアムズへ行っても自分自身の実力で「プロフェッショナル」なレーシングドライバーを貫くと主張している。
「僕がこれまで経験してきたことや成し遂げてきたことすべてを考えれば、レースするためにわざわざお金を払うなんてナンセンスだ」とマッサはブラジルの『Globo(グローボ)』に語った。
一方でマッサは、名門ウィリアムズ復活のために、新規スポンサー探しに尽力するつもりだと述べた。
「もちろん、やれることはすべて行うつもりさ」
「クルマを改善させるのに、資金は重要だし、僕には企業数社と素晴らしいコネクションがある。そのうちの数社はブラジル企業さ」
「この不況によって、チームの大小に関係なく、全チームが打撃を受けた」
さらにマッサは、2014年に向けて「ロータス、フォース・インディアそしてマクラーレン」と交渉を行っていたことも明かした。
「でも、ブーリエ(エリック・ブーリエ/ロータスチーム代表)は、(2014年に向けて)本気で何かに取り組もうとしていたのに、何もアクションを起こさなかった」
「そうしたら、ウィリアムズが僕の元へやってきた。最初の言葉が"私たちは君を必要としている"だった。その言葉こそが、僕にとってとても重要だったんだ」
マッサは、財政面の援助もドライバーの仕事とされる「ペイドライバー」になることには興味がないと述べた。
マッサは、ペイドライバーに対する自身の考えを「とても強い表現だからこういう言葉を使って良いものかわからない」と前置きした上で、『UOL Esporte』へ次のように語った。
「その言葉とは、"売春"だよ」
「シートを得るために、お金を一切支払っていないことが、僕のこの上ない誇りさ」
「スポンサー面で協力することは筋が通っている。でも、僕は売春婦になるつもりはない」とマッサは誓った。