セバスチャン・ベッテル(レッドブル)が成功するのに友人は必要ない、とレッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコと元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーが語った。
ベッテルは、F1第2戦マレーシアGPでチームから順位を指定する暗号である「マルチ21」の指示を受けていたにもかかわらず、それを無視してチームメートのマーク・ウェバーを抜いて優勝した。ドイツの『Bild am Sonntag(ビルト・アム・ゾンターク)』は、このためベッテルは現在パドックで孤立していると報じている。
しかしマルコは、人の受けが悪くても問題はないと話した。
「セバスチャンは選挙に勝たなければならない政治家ではない」
「F1で数えるのは、友人の人数ではない。ポイントだけだ」
伝説のドライバーであるアイルトン・セナとマクラーレンでチームメートだったベルガーは、ベッテルの性格は成功の表れであり、その逆でもあると語っている。
「セナやシューマッハ(ミハエル・シューマッハ)、ベッテルといったドライバーは、こういったチームオーダーに従うことができないんだ」とF1第4戦バーレーンGPを訪れていたベルガーは『El Pais(パイス)』に話した。
「そういうドライバーは、すべてのレース、すべての選手権で勝ちたいと願う。“実は、こうしようと思っているんだが”と相談しても無駄だ」
「いいように返事はするだろうが、その時になると、頭がそれを処理できないんだ」
マレーシアGP直後にベッテルは、ウェバーとチームに謝罪していたが、次の第3戦中国GPでは、ウェバーを批判している。
これについてベルガーは「時間の無駄だ」と切り捨てた。「セバスチャンは自分を正当化する必要などなかった。彼の立場は誰にも明らかだからだ」
「とにかくレースと勝つことだけに集中すべきだ」
しかし、ベッテルはF1に友人がいないわけではない。中でもキミ・ライコネン(ロータス)とは特に親しい。
3年連続チャンピオンのベッテルだが、成功して「変わった」のかと聞かれたライコネンは、スペインの『Marca(マルカ)』紙にこう答えた。「一緒に長い時間を過ごすわけじゃない。でも、彼はいいヤツだと思う」
「4シーズン前と比べたら、今は年をとって、このスポーツのことも分かってきたと思う」
「マルチ21」と同じようなチームオーダーを受けたらそれを受け入れるかと聞かれると、ライコネンは答えなかった。
「考えても意味がない」とライコネンは言っている。
さらに答えを求められると、ライコネンはこう続けた。「何も変わらない。こんなことを話して時間を無駄にする気はないね。起きたことがないんだから」
「実際に起きたら分かることだ」