【F1 vs フォーミュラE】V8復活論で明確になる“内燃機関の選手権と電気の選手権”の境界線

2026年06月05日(金)5:05 am

記事要約


・F1の電動化路線は狙い通りに機能していないとの見方を示す

・フォーミュラEのドッズCEO、F1のV8回帰論はFEに追い風と評価

・V8復活は早くても2030年以降とされ、実現には時間がかかる見通し



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フォーミュラEの最高経営責任者(CEO)を務めるジェフ・ドッズは、F1で高まりつつあるV8エンジン復活論について、電動最高峰カテゴリーであるフォーミュラEにとっては最終的に「朗報になる」との見解を示した。

■岐路に立たされるF1のパワーユニット規定

パワーユニット(PU)の電動化比率を50%まで引き上げた2026年新レギュレーションの導入からわずか数戦で、F1の将来のエンジン方針をめぐる議論は激しさを増している。

この新規定に対する批判の先頭に立っているのが、レッドブルのマックス・フェルスタッペンをはじめとするドライバーたちだ。フェルスタッペンは過去に、新世代F1マシンを「ステロイドを打ったフォーミュラE」と表現したことでも話題となった。

皮肉にも、同じ時期にフォーミュラEへの評価は高まっており、さらに進化した超高速の次世代マシン『Gen4』の導入に向けて期待も広がっている。

以前、フェルスタッペンの発言を受けて「フォーミュラEマシンをテストしてみないか」とオファーを出したこともあるドッズCEOは、F1側が現行の電動化路線について、当初の狙い通りには機能していないと認識し始めているのではないか、との見方を示した。

ドッズCEOはスペインのデジタルメディア『Soy Motor』に対し、次のように語った。

「彼らはまず評価されるべきです。周囲の声に耳を傾け、想定通りに進んでいないと認識し、変更を加えようとしています。どの企業にも、フィードバックに対応し、課題に向き合う能力があります。その点は評価に値します」

■「F1は内燃機関、私たちは電気」明確になる棲み分け

またドッズCEOは、多くの関係者がこの問題をある程度予見していたとの見方を示した。

「この規定が難しいものになること自体は、そもそも驚きではなかったはずです。彼らの予想とは多少異なる結果になったかもしれませんが、多くの人がこうした可能性は想定していたと思います」

ドッズCEOは、F1がより内燃機関に重点を置いたカテゴリーへ回帰することは、結果的にフォーミュラEの立ち位置を強化することにつながると述べた。

「私が言えるのは、彼らが方向転換することは私たちにとってプラスだということです。F1は内燃機関の選手権であり、私たちは電気の選手権だからです。非常に分かりやすい構図です」

しかし、V8エンジンの復活を期待するファンに対しては、長い待機期間が必要になると警告した。

「2030年、2031年というのはまだ先の話です。もしあなたがF1ドライバーでV8回帰に期待しているとしたら、その熱量を今後3〜4年は維持する必要があります。それだけ時間がかかるということです。気が遠くなるほど長い時間に感じられるでしょう」

■パドックで高まるV8復活論と、現状への手厳しい批判

ドッズCEOの今回のコメントは、パドック内でV8エンジン支持の声が広がる中で出されたものだ。FIAのモハメド・ビン・スライエム会長やF1 CEOのステファノ・ドメニカリもV8回帰を支持している。

しかし、現行レギュレーションの方向性については、見直しに時間的猶予はないと考える関係者もいる。

スイスのベテランジャーナリストで、パドックに残る数少ない“オールドスクール”記者の一人であるロジャー・ブノワは、現行レギュレーションを「完全な失敗」と断じた。

ブノワはドイツのテレビ局『Sport1』にこう語った。

「これまでのところ大惨事です。『ルールはシンプルであるほどスポーツは面白くなる』という古い格言があります。これはサッカーにもF1にも当てはまります。レギュレーションを絶えず変更すれば、いずれ問題に直面することになるでしょう」

さらにブノワはこう付け加えた。

「私はこのエネルギー管理システム全体に対して極めて批判的です。マックス・フェルスタッペンの批判は当初から的を射ていました。これほど多くの議論が続いているという事実そのものが、根本的に何かが間違っていることを示しています。」

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