記事要約
・佐藤琢磨が3度目のインディ500制覇を目指し、RLLからの参戦を正式発表。
・近年のスポット参戦の影響でチームとの連携が課題となり、体制強化に取り組む。
・アマダ・アメリカがホンダエンジン搭載のカーナンバー75を支援し、プライマリースポンサーを継続。
2025年3月11日、佐藤琢磨(48歳)が3度目の世界一を目指し、アメリカ最高峰のレース「第109回インディアナポリス500(インディ500)」への参戦とチームを正式に発表した。今年で16度目の挑戦となる。
■チームはRLL
チームは、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング(RLL)。佐藤は2012年に加え、2018年から2021年にもRLLからNTTインディカー・シリーズに参戦。これまでインディカー・シリーズで挙げた通算6勝のうち、4勝をRLLとともに獲得。その中には、2020年のインディ500制覇も含まれる。
2023年にはチップ・ガナッシ・レーシングからオーバルレースに参戦し、翌2024年にRLLへ復帰。同年のインディ500ではホンダ勢で2番目に速い予選タイムを記録し、15度目のインディ500出場を完走で締めくくったものの、優勝への想いを新たにしていた。
■インディ500で3勝以上はわずか10人
インディ500で3勝以上を達成したドライバーは、100年を超える歴史の中でわずか10人。もし佐藤琢磨が今年のインディ500で勝利すれば、歴代11人目の3勝ドライバーとなり、伝説的ドライバーたちと肩を並べることになる。
なお、これまでインディ500で2勝を達成したドライバーは11人おり、佐藤琢磨もその一人。同じ2勝クラブのエマーソン・フィッティパルディは、F1とインディ500で2タイトルずつ獲得しており、両方で複数回優勝した唯一のドライバー。佐藤琢磨はこうした伝説的ドライバーたちを超えようと挑戦を続けている。
4回優勝 / 4人
A.J.フォイト (1961, 1964, 1967, 1977)
アル・アンサー (1970, 1971, 1978, 1987)
リック・メアーズ (1979, 1984, 1988, 1991)
エリオ・カストロネベス (2001, 2002, 2009, 2021)
3回優勝 / 6人
ルイ・メイヤー (1928, 1933, 1936)
ウィルバー・ショウ (1937, 1939, 1940)
マウリ・ローズ (1941, 1947, 1948)
ジョニー・ラザフォード (1974, 1976, 1980)
ボビー・アンサー (1968, 1975, 1981)
ダリオ・フランキッティ (2007, 2010, 2012)
2回優勝 / 11人
トミー・ミルトン (1921, 1923)
ビル・ブコビッチ (1953, 1954)
ロジャー・ウォード (1959, 1962)
ゴードン・ジョンコック (1973, 1982)
エマーソン・フィッティパルディ (1989, 1993)
アル・アンサー Jr. (1992, 1994)
アリー・ルイエンダイク (1990, 1997)
ダン・ウェルドン (2005, 2011)
ファン・パブロ・モントーヤ (2000, 2015)
佐藤琢磨 (2017, 2020)
ジョセフ・ニューガーデン (2023, 2024)
■優勝への課題はチーム体制作り
佐藤琢磨は、昨年12月に行われたホンダ・モータースポーツ活動計画発表会でインディ500参戦を発表していたものの、スポンサーおよびチームと「交渉中」であることをTopNewsに語っていた。
また近年、フル参戦からスポット参戦へ移行した影響で、チームと十分な時間を確保することが難しくなっている。そのため、自分好みのマシンを作り上げるのが容易ではないと語っていた。今年はインディ500で3度目の勝利を目指し、チームとの連携を深めるための体制づくりに取り組んでいる。
■アマダ・アメリカとRLLのパートナーシップ
また、シートメタル加工機の世界的メーカーであるアマダ・アメリカが、ホンダエンジンを搭載した佐藤のカーナンバー75のマシンのプライマリースポンサーを務めることも決定。神奈川県伊勢原市に本社を置くアマダは、2024年のインディ500でも佐藤を支援していた。
アマダとRLLの関係は2023年から始まり、バーバー・モータースポーツ・パークで開催されたチルドレンズ・オブ・アラバマ・インディ・グランプリでプライマリースポンサーを担当。その後、2024年のインディ500、ロングビーチ、ポートランド戦でも支援している。
アマダ・アメリカの本社はカリフォルニア州ブエナ・パークに位置し、RLLとの提携を強化し続けている。
■ホンダとのパートナーシップ
ホンダは、ドライバーとしての佐藤琢磨に対して、今年も引き続きサポートをする。
佐藤琢磨は自身の卒業校であるホンダ・レーシング・スクール・鈴鹿(HRS)のプリンシパル(校長)を務めつつ、2024年にはHRC(株式会社ホンダ・レーシング)のエグゼクティブ・アドバイザーにも就任。世界のトップカテゴリーレースで活躍してきた知見を活かし、四輪レースでの国内外のドライバー育成戦略やプログラムの策定、レースの参戦計画や運営体制などに助言とサポートをしている。
■佐藤琢磨(カーナンバー75、アマダ・ホンダ)
「レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングとともに第109回インディ500に参戦できることに、抑えきれないほどの喜びを感じています。ボビー、マイク、デイヴィド、そしてチームの全員に、心からのお礼をいま一度、申し上げたいと思います。
また、タイトルスポンサーを務めて下さるアマダを筆頭に、パナソニックオートモーティブシステムズ、Niterraグループ日本特殊陶業、デロイトトーマツコンサルティング、ナック、本田技研工業、ホンダ・レーシングを始め長年レース活動をサポートしてくださっているスポンサーの皆さまにもお礼を申し上げます。
カーナンバー75を掲げた新しいマシンは、RLLの伝統的なデザインをベースに、ダイナミックでリフレッシュされたカラーリングが施されていて、とても魅力的な仕上がりとなっています。
チームとの旧交を温めることになった昨年の参戦は素晴らしい経験でした。そして今年は、さらに多くの懐かしい顔ぶれが揃うので、昨年以上に特別な挑戦になるとともに、大きな自信を与えてくれます。チーム一丸となって戦うことが楽しみで仕方ありません」
■マイク・ギャラン(アマダ・アメリカCEO)
「第109回インディアナポリス500に参戦するRLLと佐藤琢磨をサポートできることを、大変光栄に思っています。このパートナーシップは、テクノロジーの限界を追求し、最高のパフォーマンスを発揮するという私たちの共通の理念を象徴するものです。
『世界最大のレース』と称されるインディ500で、アマダとRLLのシナジーが発揮されることを楽しみにしています。」
■渡辺康治(HRC社長)
「2度のインディ500チャンピオンであり、HRCのエグゼクティブ・アドバイザーでもある佐藤選手が今年も、世界三大レースの一つであるインディ500に挑戦することとなりました。ぜひ、3度目の優勝を勝ち取れるよう、HRCとして、そして日本人として、応援していきます」
■デイビッド・ソルターズ(HRC US社長)
「2度のインディ500勝者のタク(佐藤琢磨の愛称)を今年もこの壮大なレースに迎えられてうれしいです。昨年のインディ500以後、インディカーもハイブリッド化されました。タクはまだこの新しいパワーユニットでの走行を経験していないので、彼がスムーズにハイブリッド・インディカーに慣れることができるように、HRC USとしても技術面からサポートしていきます」
■ボビー・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの共同オーナー)
「今年も琢磨を私たちのインディ500プログラムに迎え入れることができて、本当に嬉しく思っています。彼のインディアナポリス・モーター・スピードウェイにおける経験、才能、そして堂々たる存在感は、2度の優勝という実績が証明しています。彼の規範と細部へのこだわりは、チームのプログラムに計りえないほどの価値をもたらしました。
また、アマダがプライマリー・スポンサーとして協力してくださることにも喜びを感じています。彼らは、インディー500だけでなく、私たちのレーシング・プログラムの一部としての活動を継続してくれました。私たちはアマダの工作機械を日々活用しており、この関係をとても誇りに思っています。」
■マイク・ラニガン(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの共同オーナー)
「今年も佐藤琢磨とともにインディ500に挑めることを、RLLとして誇りに思います。インディアナポリス・モーター・スピードウェイでの琢磨は常に速く、これまでに挙げた2勝は、世界でもっとも壮観なレースにおける彼の実力を示すものです。
個人的には、チームが琢磨に『3度目の優勝』のチャンスをもたらすことを楽しみにしていると同時に、プライマリー・スポンサーを務めるアマダに深く感謝しています。」