【F1】中東情勢の打撃、前年から約732億円減 サウジ代替戦は想定せず、アフリカ開催交渉は進展

2026年08月21日(金)6:00 am

記事要約


・中東情勢による日程混乱でF1の第2四半期収益が38%減

・2026年は当初の24戦ではなく23戦開催を想定

・アフリカGP実現へ交渉進展、南アフリカとルワンダが候補


F1は、中東情勢の影響で2026年のレースカレンダーが混乱したことにより、大幅な減収に見舞われた。リバティ・メディアが発表した第2四半期のF1収益は前年同期比38%減となり、今季は当初予定していた24戦ではなく、23戦での開催が想定されている。

一方、F1は新レギュレーション導入後も観客数やファン層が拡大していると強調。長年カレンダーから姿を消しているアフリカでのグランプリ開催に向けた交渉も進んでいる。

■第2四半期の収益は38%減 サウジアラビアGPの代替開催は想定せず

リバティ・メディアによると、F1の2026年第2四半期の収益は7億6400万ドル(約1211億円)となり、前年同期の12億2600万ドル(約1943億円)から38%減少した。

営業利益も前年同期の2億9300万ドル(約464億円)から7300万ドル(約116億円)へと大幅に落ち込んだ。

※1ドル=158.50円(8月20日時点の為替レート)で換算。

最大の要因となったのが、イランを巡る中東での紛争によるレースカレンダーの混乱だ。

リバティ・メディアの決算資料によると、F1は2026年シーズンについて、当初予定していた24戦ではなく、23戦での開催を想定している。

中止されたバーレーンGPについては、10月にセパンで異例の代替開催が組まれた。一方、リバティ・メディアは2026年のカレンダーについて「23戦を開催すると想定している」としており、中止となったサウジアラビアGPについては、現時点で代替レースを開催しない見通しだ。

ただし、リバティ・メディアは「さらなるカレンダー変更が必要になる可能性もあります」としている。

■全11戦が完売、観客数は370万人 新世代F1のレース評価も上昇

財務面で大きな打撃を受ける一方、新レギュレーション時代を迎えたF1は、観客動員やファン層の面で成長を続けている。

F1によると、上半期の集計対象となった11戦は、すべてチケットが完売。観客数は前年の同じレースで記録した340万人から370万人へと増加し、6つのサーキットで観客動員記録を更新した。

さらに、従来とは大きく異なる2026年型マシンや、「マリオカート」のようだとも評されるレース展開に批判的な声がある一方、F1のファン調査ではレースへの評価が上昇している。

6万人が参加する「Fan Voice」のパネル調査では、レースを「良い」または「非常に良い」と評価した割合が66%に達し、昨シーズンの60%を上回った。

F1はまた、世界のファン数が8億3000万人を超え、2018年から64%増加したとしている。そのうち43%が35歳未満で、新たにF1ファンとなった層の4分の3を女性が占めているという。

■「アフリカなしで世界的とは言えない」南アフリカとルワンダが候補

こうした世界的なファン層の拡大に伴い、長年F1が開催されていないアフリカでのグランプリ復活を求める声も強まっている。

南アフリカのゲイトン・マッケンジー・スポーツ相は、英国メディア『City AM』に対し、アフリカ大陸でF1が開催されていない現状では、F1を世界的なスポーツと呼ぶことは実際のところできないとの考えを示した。

「アフリカ大陸を見て、それからヨーロッパを見てください。モンツァ、イモラ、モナコは互いに近い距離にありながら、3つのF1レースがあります。それなのに、アフリカ大陸全体ではひとつもありません」

F1のステファノ・ドメニカリCEOは、その状況が変わる可能性があると明かしている。

イタリアの『Eurosport Italia』は、ドメニカリCEOの発言を次のように伝えた。

「アフリカでの交渉は非常に順調に進んでいます」

アフリカでの開催候補としては、南アフリカとルワンダが引き続き有力視されている。

■アルゼンチン、タイ、ドイツからも関心 開催地を巡る動きが活発化

ドメニカリCEOはさらに、アフリカだけでなく、アルゼンチン、タイ、さらにはドイツからもF1開催への関心が再び寄せられていることを明らかにした。

「南米では協議を続けており、1998年以来開催されていないアルゼンチンへの復帰に強い関心があります。また、極東でも協議を進めています」

中東情勢の影響により、2026年は23戦での開催が想定され、F1の収益にも大きな影響が及んでいる。その一方で、観客数や世界のファン層は拡大を続けており、アフリカをはじめとする新たな開催地を巡る動きも活発化している。

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