【F1】ボッタス発言で浮上したイタリア税務問題 チームの源泉徴収義務を巡り法廷闘争の可能性

2026年10月09日(金)7:00 am

記事要約


・イタリア当局が外国F1チームの源泉徴収義務を調査しているとの報道

・非居住ドライバーのイタリアでの活動に伴う報酬に30%の源泉徴収を求める立場か

・「恒久的施設」の解釈を巡り、最高裁まで争う可能性も


バルテリ・ボッタスがイモラでの代替開催案に難色を示した背景にあるイタリアの税務問題が、F1チームを巻き込む大規模な法廷闘争に発展する可能性が浮上している。

F1は、2026年の最終2戦となるカタールGPとアブダビGPを予定通り開催すると確認した。一方、イタリア当局が指摘している過去の税金の未納を巡る問題は、依然として解決していない。

■ボッタスがイタリアの税務問題に言及

ボッタスは、中東2戦の代替としてイモラで開催する可能性について尋ねられた際、次のように語った。

「イタリアの税金の問題をご存じかどうか分かりませんが、そこで起きたことが原因で、実際にイタリアでレースをしたいと思っているドライバーはいません」

イタリア紙『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デッロ・スポルト)』によると、イタリアの税務当局は、外国のF1チームがモンツァとイモラでのレースに伴うドライバー報酬の一部について、源泉徴収して納付する義務を負っていたかどうかを調査している。

当局は、非居住ドライバーのイタリアでの活動に伴う報酬には30%の源泉徴収が適用され、所属チームがその税金を徴収・納付する責任を負うとの立場だと報じられている。

■「恒久的施設」の有無が焦点

一方、イタリアのスポーツ税務専門家ルカ・デル・フェデリコは、税務当局の主張には法的に大きな壁がある可能性を指摘した。

「税務調査の文書を確認していないため、判断を示すのは難しいです。イタリア歳入庁の業務が非常に慎重かつ専門的に行われていることも確かです。しかし、どうも整合しない点があります。根本的な問題は、グランプリのためにイタリアを訪れる外国のF1チームが、国内に恒久的施設を持っているとみなせるかどうかです」

恒久的施設とは、外国企業がその国で事業を行うための固定的な拠点を指す税務上の概念である。

デル・フェデリコは、外国人モデルをイタリアで働かせたフランスのファッション企業に関する、2021年の税務上の判断を例に挙げた。

「当局の回答は非常に明確でした。イタリアに恒久的施設を持たない非居住者の事業体は、原則として源泉徴収義務者には該当せず、源泉徴収を行う義務もありません」

デル・フェデリコは、外国のF1チームがイタリアのサーキットに一時的に滞在するだけでは、恒久的施設の要件を満たさない可能性が高いとみている。

「チームがイタリアで活動するのは数日だけです。ガレージを設営してレースを行うだけでは、恒久的な事業拠点があるとは言えないと私は考えます」

■最高裁まで争う可能性も

デル・フェデリコは、ドライバー本人のイタリアでの納税義務と、外国チームがその税金を源泉徴収して納付する義務は別の問題だと指摘する。この区別が、大規模な税務訴訟の中心的な争点になる可能性があるとの見方だ。

「大規模な税務訴訟に発展する可能性があります。争点となる法原則の重要性と金額を考えれば、この事件がイタリア最高裁まで進んでも驚きません。」


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