コスト削減を進めるF1の中で、レッドブルが孤立しているようだ。
2010年から2年連続でF1を制したチャンピオンチームのレッドブルについては、F1でのコスト削減協定(リソース・リストリクション・アグリーメント/通称RRA)を無視し、守っていないのではないかという疑惑がある。
しかし、このコスト削減協定は、FOTA(F1チームで結成された商業権やルールについての協議組織)が自発的に作成したチーム間の合意に過ぎず、そのFOTAも、昨年レッドブルやフェラーリらが脱退したことで実質的には崩壊状態である。さらに、この協定に違反した場合の罰則は金銭的なものだけだ。
いずれにしても、レッドブルが制裁を受けることはなかった。これに関して最近、フェラーリのルカ・ディ・モンテゼモーロ会長が、この問題を問い詰めることはしなかったと言い、その理由として「われわれのパフォーマンスに対する言い訳にしたくなかったからだ」と語った。
しかしチームらは書状で、F1を統括するFIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長に対し、FIAが介入してコスト削減協定RRAを公式なルールとして規定するよう求めている。
そうなれば、違反したチームには、ポイントのはく奪やレースへの参加禁止など、レースの結果にかかわる制裁が科されることになる。
「そうだ、(書状は)全会一致だった。ほとんどのチームが署名した」とロータスのチーム代表エリック・ブーリエは言う。
だがブーリエは、署名しなかったチームがどこかについては明言しなかった。
しかし『Kolner Express(ケルナー・エクスプレス)』紙はこう伝えている。「署名しなかったのは2チームだけ。レッドブルとその姉妹チームのトロ・ロッソだ」