ザウバーのチーム代表を務めるペーター・ザウバーは、2013年に向けたドライバーラインアップをめぐりさまざまな憶測が飛び交う中、将来に関して不安を抱いてはいないと語った。
現在ザウバーで活躍しているセルジオ・ペレスは、今シーズンすでに3度表彰台に上る躍進を見せており、前戦イタリアGPでも予選12位からスタートし、2位でゴールするという印象的なパフォーマンスを披露。この活躍ぶりからフェラーリ、あるいはマクラーレンへと移籍するのではないかといううわさに結び付いている。
その一方で、チームメートの小林可夢偉はシート喪失の危機にあるとの憶測が広まってきた。潤沢(じゅんたく)な資金力を持つシャルル・ピックが、低迷しているマルシャにおいて力強いデビューシーズンを送っており、ピックが可夢偉のシートを獲得するのではないかという意見もある。ちなみに、現時点でペレスはドライバーズポイントで可夢偉に対して30ポイントの差をつけている。
「イギリス人がこの時期のことを“シリー・シーズン(移籍関連の憶測記事などが多くなる時期)”と呼んでいるが、それ以外の何物でもない」
「ジャーナリストのばかげた妄想は暴走する傾向があるからね」
「その件に関して、われわれ側に新しい展開は何もない。ここ数週間、状況は変化していないままだ。急ぐ必要はないし、しかるべきときに2013年のドライバーの発表を行う」
「締め切りはない。実際のところ、われわれのチームに寄せられている関心はとても大きい」とザウバーはスイスの『Blick(ブリック)』紙に記した。
今年のザウバーは競争力が高く、ペレスが3度表彰台に上るなど、目覚ましい活躍を見せている。そして、ザウバーが今年これまでに獲得した総ポイント数は、去年の2倍だ。
「われわれがシーズン中盤の中だるみに陥ってしまうと予想してた専門家も少数いたみたいだ。彼らはわれわれがライバルたちのような開発のペースを維持することができないと考えていた」とザウバーは語る。
「ところが、正反対のことが起こっている。現在のわれわれはシーズン序盤よりも強くなっている」
「私はこの上昇機運が決してまぐれではないと確信している。これはわれわれの組織全体と直結している結果だ」
「テクニカルディレクター不在の新しい組織構成を発表したとき、多くの専門家たちが驚いていた」と、ザウバーは今年早々にジェームス・キー(ザウバーの元テクニカルディレクター)がチームを離脱したことを引き合いに出して語った。
「(テクニカルディレクター不在は)不可能だという意見を何度か聞いた。だが、われわれの(今シーズンの)結果が、それは可能だと証明している」とザウバーは現在のチームの強さに自信を見せた。