フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)は、F1第2戦マレーシアGPでセバスチャン・ベッテル(レッドブル)と接触してフロントウイングを傷めたのは、自分のミスだったと語った。
マレーシアGP決勝の1周目にベッテルに追突してフロントウイングを損傷したアロンソは、ピットインして交換せずに走り続けることを選んだ結果、フロントウイングが脱落してコースアウトし、リタイアとなった。
「あそこに彼(ベッテル)がいてびっくりした。ほとんど止まっていたんだ」とリタイア直後にアロンソは話していた。「どのくらいのスピードだったのか、理解できないね」と、ベッテルが故意にスローダウンしたと疑っているとも取れるコメントを発していた。
F1中国GP(4月14日決勝)を前にした11日(木)にアロンソは、「コース上には22台のクルマがいるんだ。後ろのドライバーがどのラインを取るのか把握する方法はないよ」と語り、マレーシアでの発言を撤回するようなことを言っている。
「あれは僕のミスだった」というアロンソのコメントを『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』が伝えた。
アロンソにとって目下の悩みの種は、不振から脱却したチームメートのフェリペ・マッサだ。
フェラーリでは絶対的なナンバー1の地位を築いているアロンソだが、中国GPでも予選でマッサが前に出ると、昨年末の2戦から数えて5戦連続でチームメートに負けることになり、キャリアでワースト記録となってしまう。
しかしアロンソは、冬季のオフをまたいで成績を比べることに意味はないとしている。
「200戦も出走したのに、2回の予選がこれほど(メディアに)取り上げられるなんて、本当にびっくりだよ」とアロンソは中国で話している。さらにアロンソは皮肉たっぷりにこう続けた。
「そんなに重要だなんて、うれしいね。だって、彼より前で終えたら、地球から飛び出すくらいのラップをたたき出したことになるんだから。今回か、今年中に、そんな魔法みたいなことが僕にできるかどうか、見てみてよ」
また、マッサのペースを心配しているかと聞かれると、「オーストラリア以来、寝てないんだ。米しか食べる気がしない。髪も薄くなっちゃって。本当にドラマチックな展開だよね」とアロンソはジョークで応えた。
しかし、アロンソは今度は真剣な口調で、予選の重要性が以前に比べて下がっていると話した。
「1列目かポールポジションからスタートすることが不可欠な時代もあった。でもピレリが参入してから、予選の重要性はどんどん下がっている」
マッサに対する称賛もアロンソは忘れていない。
「彼は素晴らしい仕事をしていると思うし、100%の力を出し切って走っているね」
だが、マッサが今の好調さを続けた場合、アロンソの態度がどうなるかは分からない。
「アロンソは、チームメートの息の根を止めるためにナイフだって持ち出すようなタイプのドライバーだ」とブラジルの解説者リト・カバルカンチは『SporTV』で話している。
「フェリペはずいぶん困らせている。彼(アロンソ)は反応するだろう」とカバルカンチは予想した。