2013年F1もタイヤが話題の中心に

2013年04月25日(木)12:43 pm

2013年のF1も、ピレリタイヤを中心に展開しており、話題をすっかり独占している。

今年ピレリが供給しているタイヤは、性能劣化が激しく、「ショー」的要素を重視し過ぎていると、ドライバーや関係者、特にチャンピオンチームのレッドブルから強い批判が出ている。

しかし、F1最高責任者のバーニー・エクレストンはピレリの姿勢を支持。「たとえタイヤが1月から12月までもったとしても」とエクレストンは『Reuters(ロイター通信)』に話し、こう続けた。「何かほかのことが話題にされるだろう」

「この状況のいい点は、昔ブレーキやギアボックスなどをいたわらなければならなかったころに、少し戻っているということだ」

しかし、タイヤの摩耗が早いことは、大きな問題ではない。最大の問題は、チームもエンジニアも、どうすればタイヤをきちんと機能させられるのかが分からないということだ。

シーズン序盤、タイヤについて最も批判していたレッドブルだが、F1第4戦バーレーンGPでは、レッドブルのセバスチャン・ベッテルがほかを寄せつけない速さで優勝した。

「非常に心配していたが、開けてみると、実はかなり楽だった」とレッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコが『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』に話している。

しかし、同じレッドブルでも、マーク・ウェバーは違った。「集団の中で戦わなければならなかった」というウェバーのタイヤは「ぼろぼろになった」とマルコは説明している。

同様に、メルセデスAMGのニコ・ロズベルグもタイヤに苦しんだ。前日の予選では圧倒的な速さでポールポジションを獲得したロズベルグだったが、路面温度の上がった決勝では、ずるずると後退して9位に終わった。

「ヨーロッパはずっと温度が低いから、僕たちにはいいはずだ」とチームメートのルイス・ハミルトンはドイツの『DPA通信』に語っている。

メルセデスAMGチーム代表のロス・ブラウンも同じ考えだ。「タイヤは全員同じだが、こういった(暑い)コンディションでは、われわれはライバルにかなわない」

しかし、集団に入らずに走るとか、マシンとタイヤに最適な温度を見つけるとかいった単純な問題ではないようだ。

「このタイヤは非常に複雑だと思う」とレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーがイギリスのテレビ局『Sky Sports(スカイ・スポーツ)』に語っている。

「ウインドウ(タイヤをうまく機能させられる温度などの条件)に入っていると…(バーレーンGPの)われわれのように圧倒的な力を発揮できる」

「しかし、そのウインドウは非常に微妙なもので、それをはずすと、4回、5回とピットストップするはめにもなり得る」

元F1ドライバーのアレックス・ブルツは、バーレーンGPで圧勝したレッドブルも、突然良くなった理由を理解していないのではないかと見ている。自動車関連サイト『motorline.cc.』が伝えた。

「もし分かっているのなら、(レッドブルは)シーズン最後までものすごく強さを見せるだろう」

「だが、ただそうなっただけで、理由が分からないこともある。誰も仕組みが理解できていないんだ」とブルツは話している。

ウェバーも、タイヤについて理解し切っていないことを認める。オーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』でウェバーはこう語った。「タイヤがすべてを左右している。機能するウインドウにちゃんと入っていないと、ラップタイムが最低まで落っこちる」

「(バーレーンGPで)ロータスが2回ストップ作戦を成功させていたけれど、ジェンソン・バトン(マクラーレン)は、4回もピットインしなければならなかった。彼は"タイヤを思い通りに操る男"として有名なのにね」

「僕たちは、まだ学習している最中なんだ」

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