ミュンヘンで行われているF1最高責任者バーニー・エクレストンをめぐる汚職裁判で、かつて2011年に『No Angel - the secret life of Bernie Ecclestone(天使などではない-バーニー・エクレストンの知られざる人生)』と題されたエクレストンの伝記本を著した作家のトム・バウワーが証言台に立った。
そのバウワーは、エクレストンと元銀行家のゲルハルト・グリブコウスキーは、F1の「支配」に関することで衝突していたと証言した。
バウワーがその著書のタイトルを決めたのは、エクレストンとバウワーが緊密に仕事をしていた当時、エクレストンがバウワーに対し次のように語ったことがきっかけだったと伝えられている。
「好きなように書いていいよ。だいたいにおいて真実であればね」
バウワーは、エクレストンばかりでなく、グリブコウスキーについてもよく知っている人物だ。
そのバウワーは、当時バイエルン州立銀行でリスク担当責任者を務めていたグリブコウスキーが、エクレストンに対し、エクレストンの後任を務める人物を探すつもりだと語ったことがある、と法廷で証言した。
バウワーは、エクレストンはそのとき、そのグリブコウスキーの発言を脅しだと受け取り、「君がそういうことを続けるなら、この先どういうことになるかわからないぞ」と返答したという。
ドイツのメディアは、バウワーは法廷において、エクレストンとグリブコウスキーが「F1を支配するための争い」を繰り広げていたとも証言したと伝えている。