元F1チャンピオンのデイモン・ヒルは、偉大なミハエル・シューマッハに「自分は役立たずだ」と感じさせられたと語った。
■コース上では憎み合っていた
11月13日は、1994年にオーストラリアのアデレードでシューマッハがヒルに故意にクラッシュし、シューマッハが最初のチャンピオンを獲得してから30周年にあたる。ここから伝説的な7度の世界選手権制覇が始まった。
この記念すべき日に、ドイツの『Bild(ビルト)』は、1996年の世界チャンピオンであるヒルに、悪名高いタイトル争いと2人の関係について振り返ってもらった。
「マイケルと私は実際にはうまくやってはいたが、コース上ではお互いを憎み合っていた。世界チャンピオンになりたいのであれば、それ以外の方法などあり得ないんだ」
「お世辞を言う余地などない。相手の弱点をすべて突き、それによって相手を弱らせるしかないんだ」
■シューマッハは心理戦の達人
シューマッハは、2013年にスキー中の転倒で脳に損傷を負って以来、残念ながら公の場に姿を見せなくなったが、彼が心理戦の達人であったことをヒルは認めている。
「マイケルは心理戦の達人だった」
「彼は私に、まるで無能で才能のない人間のように感じさせたし、そういうことを彼はメディアにも言ったんだ」
「当時、彼は多くのレースで勝っていたから、誰もそれを疑わなかった」
■シューマッハはとても心が温かい人
しかしヒルは、シューマッハーがコース外ではまったく別人だったこと、特に家族に対しては非常に温かい人だったと認めている。「マイケルはとても競争心が強かったけれど、とても心が温かい人だったよ」