記事要約
・ピレリは2025年F1日本、バーレーン、サウジアラビアGPのドライタイヤ選択を発表した。
・ジェッダでのサウジアラビアGPは昨年より1段階ソフトなタイヤ(C3、C4、C5)を導入し、戦略の多様化を狙う。
・日本(鈴鹿)とバーレーン(サクヒール)はタイヤへの負荷が大きいため、昨年と同じ最も硬いコンパウンド(C1~C3)を継続使用する。
■2025年F1序盤戦、ピレリがドライタイヤ選択を発表
2025年3月6日、ピレリは2025年シーズン序盤の日本GP(鈴鹿)、バーレーンGP(サヒール)、サウジアラビアGP(ジェッダ)で使用するドライタイヤのコンパウンド選択を各チームに通達した。タイヤに厳しい日本GPは、最もハード寄りの選択となったことが明らかになった。
昨年と同じく、開幕戦から第4戦については2024年シーズンと同じタイヤが選ばれたが、4月第3週に開催される第5戦サウジアラビアGPでは、タイヤ戦略が多様化するよう新しい試みが行われることになり、前年より1段階ソフトなコンパウンド(C3:ハード、C4:ミディアム、C5:ソフト)を導入することが決まった。
■鈴鹿サーキットは唯一の8の字で
ピレリのモータースポーツ責任者マリオ・イゾラは次のように説明した。
「昨年のレース経験と、新コンパウンド開発段階で得たデータに基づき、この方向を選びました。昨年のジェッダでは、レース中に多くのチームがミディアム(C3)でスタートしましたが、すぐにハード(C2)に切り替えてそのまま完走していました。今回はソフト寄りのタイヤを投入することで、1ストップまたは2ストップ戦略が混在する展開を生み出せると考えています」
4月第1週に開催される日本(鈴鹿)とその翌週のバーレーン(サヒール)はタイヤに厳しいサーキットの代表格で、これまでと同じくタイヤに厳しい条件が予想されるため、最もハード寄りの選択(C1〜C3)が妥当と判断された。
「鈴鹿はカレンダーの中で唯一の「8の字」型サーキットで、高速コーナーが連続するため、タイヤに非常に強い横方向の力がかかり大きな負荷を与える。一方、サヒールは路面の性質上、タイヤの表面温度が上がりやすく、アスファルトから発生する熱によりタイヤの性能劣化が激しいためです」
「オーストラリアは(C3、C4、C5)、中国(C2、C3、C4)は2024年と同様のセットを採用しました。C5のさらに上を行く新しく導入した最も柔らかい『C6』コンパウンド(ウルトラソフト)は序盤戦では採用しませんでした」
特に注目されるのは、第5戦のジェッダでの新しいコンパウンド選択で、1ストップ戦略と2ストップ戦略が混在する可能性が高く、レース展開の多様化が期待される。
ピレリは今回の決定について、「柔らかいタイヤを投入することで、チーム間の戦略の幅が広がり、1ストップか2ストップかという選択肢が生まれるだろう」と説明している。
■ピレリが選択した2025年序盤のF1タイヤ

- 第1戦オーストラリアGP(メルボルン):
C3(ハード)、C4(ミディアム)、C5(ソフト)
- 第2戦中国GP(上海):
C2(ハード)、C3(ミディアム)、C4(ソフト)
- 第3戦日本GP(鈴鹿):
C1(ハード)、C2(ミディアム)、C3(ソフト)
- 第4戦バーレーンGP(サヒール):
C1(ハード)、C2(ミディアム)、C3(ソフト)
- 第5戦サウジアラビアGP(ジェッダ):
C3(ハード)、C4(ミディアム)、C5(ソフト)