・フェルスタッペンの英GPポール後、ホーナー自宅でバーベキュー
・ホーナー解任直前の開催で、事実上の送別会となる
・レッドブル残留の兆しも、移籍は「成功確約」が前提との声
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は先週末のF1イギリスGP予選で予想外のポールポジションを獲得し、その夜にはクリスチャン・ホーナーの自宅でバーベキューが行われた。しかし、そのホーナーは水曜日にチーム代表の職を解かれており、結果的にこれが“送別会”のような形になった。
4度のワールドチャンピオンに輝くフェルスタッペンをめぐっては、パフォーマンス条項による契約解除の噂や、ライバルチームであるメルセデスのトト・ウルフ代表との接触など、去就に関する憶測が飛び交っていた。
金曜のシルバーストンでフェルスタッペンは、2025年型マシンのハンドリングについて「信じられないほどひどい」と不満をあらわにし、「すごくアンダーステアが出ているのに、場所によってはオーバーステアもある」と語っていた。
ホーナーはここ最近、チームの「ツール」に問題があると何度も認めており、マシンが不適切なセットアップでコースインすることが多くなっていると述べていた。
しかし金曜から土曜にかけて、レッドブルはフェルスタッペンのセットアップを一新。ダウンフォースを削減し、トップスピードを重視した仕様に仕上げたことで、予選で最速タイムを記録した。
この結果、決勝グリッドではフェルスタッペンの後方に並んだマクラーレン勢が追い抜きに苦労する可能性が高くなった。ランド・ノリスは「正直なところ、今のDRSスピードではマックスとちょうど互角って感じだ」と語っていた。
ただし、今回のポールはセットアップだけが理由ではない。
マクラーレンF1代表のアンドレア・ステラはフェルスタッペンの走りを見て「彼は何でもできる」と称賛。さらに、数日前に「自分が最強だった」と語っていたフェルナンド・アロンソも、「マックスが最強だ」と評価を改めた。
「彼はまだ(ルイス)ハミルトンほどシルバーストーンでは勝っていないけど、ベストだと思う。レッドブルのマシンが他と同等であれば、彼がポールを獲ることは分かっている」とアロンソは語った。
波乱の中でのポール獲得により、フェルスタッペンとレッドブルの関係は好転するかもしれないと思われていたが、実際はスピンなどもあり5位に終わった。
「マックスがチーム選びで重視するのは、最終的に『それが自分を幸せにするかどうか』だと思います」と、オランダGP主催者のヤン・ラマースは土曜日の『De Telegraaf』紙に語っている。
ラマースは、フェルスタッペンがハミルトンのような“冒険”を求めているとは考えていないようだ。
「彼は(レッドブルで)特権的な地位を築き上げました。だから多くの疑問符がつくような冒険に出るとは思えないんです。そうなれば、ハミルトンがフェラーリで直面しているような状況に陥ってしまいます。
私は今でも、マックスが“勝てる”と信じているのはレッドブルだと思っています。彼にとってはそれがすべてです。今のF1界に付随するすべての出来事は、彼にとっては関心の対象ではないんです。もし彼が移籍するなら、それはレッドブル以上に成功できるという合理的な保証があるチームだけでしょう」とラマースは語った。
元F1ドライバーのラルフ・シューマッハも、メルセデスへの移籍は「大きなリスク」だと見ている。
「レッドブルはマックスのためのチームです。ちょうどかつてのメルセデスがハミルトン中心だったようにね。だからその移籍のリスクはかなり大きいです」とシューマッハは『Sky Deutschland』に語った。
「マックスは、今のように自分が優遇されている状況を手放すことになります。ドライバーというのは、自分が良い環境にいると感じている限り、チームを変えたいとは思わないものです。メルセデスですら波があるのを見て、マックスも今は感情のジェットコースターの中にいると思いますよ」
フェルスタッペンの長年のメンターでもあるレッドブルのアドバイザー、ヘルムート・マルコ博士も、シルバーストンでのポールに安堵の表情を見せていた。
「このポールポジションはチームの雰囲気を良くする意味でも大きかった」
そしてその晩、ホーナー邸でのバーベキューが行われた。「今夜はホーナーの家でバーベキューをするよ」と、当時のマルコ博士は笑顔で語っていた。
しかし、水曜日にはクリスチャン・ホーナーが電撃解任劇が起こってしまい、結果的に最後の晩餐となってしまった。
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