メルセデスでドライバーズ選手権を争うジョージ・ラッセルについて、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、ランキング首位のアンドレア・キミ・アントネッリから受けるプレッシャーにより、ラッセルが重圧に屈し始めているとの見方を示した。
一方、メルセデスは、ベルギーGPでのラッセルのリタイアに電気系統のトラブルが影響したと認めている。
さらに、メルセデスF1代表のトト・ウォルフは、今後は優勝を最優先し、状況によっては2人の直接対決をコントロールする方針を明らかにした。
ベルギーGPでは、アントネッリが優勝を飾り、ドライバーズ選手権でラッセルとの差を50ポイントに広げた。
一方のラッセルは、フェラーリのルイス・ハミルトンと接触する前に電力を失い、1周目でリタイア。レース後には強い不満をあらわにしていた。
こうした状況について、シューマッハはドイツの衛星放送局『Sky Deutschland(スカイ・ドイツ)』で次のように語った。
「まさに、シーズン開幕当初から話していた通りです。アントネッリがより速いドライバーとしての地位を確立すれば、ラッセルはいずれ重圧に耐えきれなくなる。そして今、まさにそれが起きています」
一方でシューマッハは、ラッセルが置かれている厳しい状況は、度重なるマシントラブルによってさらに悪化していると指摘した。
「昨年のハミルトンを少し思い出します。時には、今にも泣き出しそうに見えました。そうした状況はドライバーに影響を及ぼします。彼は今、非常に厳しい状況に置かれていると思います」
さらに、チーム内部では、すでにどちらのドライバーを優先するかが明確になっているとの見方も示した。
「チームが優先的に支えるドライバーが誰なのかは、内部ですでに明確になっていると思います」
もっともシューマッハは、ベルギーGPでのラッセルのリタイアについては、アントネッリとのタイトル争いによるプレッシャーではなく、メルセデスの電気系統のトラブルが影響したことも認めている。
「チームは問題の原因を特定し、2台そろって先頭争いに加われるようにしたいと考えています。フェラーリもそれほど離れてはいませんから」
一方、ウォルフ代表は、これまで両ドライバーを完全に対等な立場で競わせてきたが、その方針によって再び勝利を逃すことは避けたいとの考えを示した。
「これまでの経験、特にバルセロナ・カタルーニャGPで多くのタイムを失ったことを踏まえ、私たちはお互いにタイムを失わないことを目標にしています。フェラーリやレッドブルが背後に迫る中で、2台が順位を入れ替え続ける『ヨーヨーレース』は望んでいません。バルセロナ・カタルーニャGPでは、そのために勝利を逃しました。リタイアがなければ、キミが優勝していたでしょう」
ウォルフ代表は、ライバル勢が接近している状況では、2人に自由なバトルを許すよりも、勝利を最優先する方針だと説明した。
「バルセロナ以降、私たちは常にレースでの勝利を最優先します。そのためにキミかジョージのうち、先頭を走るドライバーを優先する必要があるなら、そうします。F1はドライバーズ選手権であると同時に、コンストラクターズ選手権でもあります」
ただし、ウォルフ代表は、アントネッリがランキングで大きくリードしているからといって、ラッセルに勝利を譲るよう指示することはないと強調した。
「私たちは、どちらのドライバーからも勝利を奪うようなことは決してしません。ですから、もしジョージがトップを走っているのであれば、シーズンのこの段階で選手権争いに後れを取っていたとしても、順位を入れ替えるような指示は出しません。」
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