FIA、ロシア・ベラルーシ勢への制限をほぼ全面解除 国旗・国歌が復活、残る禁止措置は
FIA(国際自動車連盟)は、ロシアとベラルーシのドライバーやチームなどが国際モータースポーツに参加する際の制限をほぼ全面的に解除した。
両国の国旗や国歌の使用も再び認められ、議論を呼ぶ決定となった。
■中立誓約書が不要に 国旗や国歌も復活
FIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)の決定により、ロシアとベラルーシのドライバー、両国の代表チーム、個人の競技者、競技役員は、中立誓約書に署名せずに国際大会へ参加できるようになった。
マシンや装備、ユニフォームには両国のナショナルカラーや国旗を表示できるほか、国歌の演奏も認められた。
ただし、ロシアとベラルーシでは、引き続き国際大会を開催できない。
一方、ロシア自動車連盟(RAF)は2026年初めにFIA会員としての権利を完全に回復し、投票権を取り戻したほか、各委員会やコミッションの活動にも再び参加できるようになった。
■ローテンベルク会長「正義が勝利した」
ロシア自動車連盟のボリス・ローテンベルク会長は、FIA会員としての権利回復について、次のように述べた。
「ロシア自動車連盟がFIA会員としての権利を完全に回復したことは、ロシアが世界のモータースポーツを巡る主要な意思決定の場へ復帰するうえで、極めて重要な一歩です」
「私たちはFIAの各委員会やコミッションでの活動に復帰します。私たちの専門家も、再び発言権を持つことになります」
ローテンベルク会長は、今回の制限解除により、ロシアの立場が回復したと強調した。
「私たちの選手は再び、いかなる妥協や留保、人為的な障壁もなく、国際舞台でロシアを代表することになります」
「スポーツと文化は政治から切り離されるべきです。人々を結びつけるものだからです。正義が勝利しました」
■2022年導入の措置を大幅緩和 FIA加盟団体も新規則に従う必要
今回の決定は、2022年のロシアによるウクライナ侵攻後に導入された措置を大幅に緩和するものだ。
これまで、両国のドライバーや個人の競技者、競技役員は、中立誓約書への署名を条件に、中立の立場でのみ国際大会への参加が認められていた。
一方、両国の代表チームは参加そのものを禁じられていた。
ドイツ紙『Bild(ビルト)』は、FIAに加盟する各国の自動車連盟も、新たな規則に従う必要があると伝えた。
スイス紙『Blick(ブリック)』のベテラン記者ロジャー・ブノワは、この動きを「悲しいニュース」と表現した。
■ロシア人F1ドライバーの登場は「5年以上先」
ロシア人初のF1ドライバー、ビタリー・ペトロフのマネジャーを務めたオクサナ・コサチェンコは、今回の決定を歓迎した。
ただし、F1をはじめとする主要シリーズが近くロシアへ戻ることを意味するものではないと指摘した。
「主要シリーズがロシアに戻るための前提条件は、現時点では整っていません」
コサチェンコは、新たなロシア人F1ドライバーの登場には、まだ時間がかかるとみている。
「ロシア人選手が国際大会への参加を認められてから、トップレベルに到達するまでには、5年以上かかるのが現実的だと思います」
さらに、ロシアの大企業に対する制裁が続いていることも、ドライバー育成を阻む大きな障壁だと指摘した。
「現在、ロシアの大企業は制裁下にあり、スポーツを通じて自社の活動を正当化することは事実上不可能です。つまり、選手の育成と商業面という2つの課題があります。」
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