引退を考えた序盤から一変、フェルスタッペン復活 メルセデスF1のウォルフ代表も脱帽
レッドブルのマックス・フェルスタッペンのシーズン終盤の復活が、2027年に向けたライバルへの警告となっている。シンガポールGPでも、再び圧倒的な強さを見せた。
シーズン序盤には、フェルスタッペンが2026年を一度も勝てずに終える可能性も高いとみられていた。しかし、セパンでの優勝に続き、シンガポールではスプリントポールを獲得し、スプリントで優勝。さらに、日曜日の決勝ではポール・トゥ・ウィンを飾り、2連勝を果たした。
■フェルスタッペン「来年に向けて非常に重要です」
通算50回目のF1ポールポジションを獲得したフェルスタッペンは、次のように語った。
「シーズン序盤に僕たちがどんな状況にいたかを考えると……。これは来年に向けて非常に重要です。新しいアップデートの特定の部分について、まだ確信を持てていないチームもありますが、僕たちのマシンではすべてがうまく機能しています。すべてが良い結果につながったことは、とても前向きな材料です」
レッドブルの巻き返しを支えているのは、最近投入したアップデートだ。オスカー・ピアストリはシンガポールで、こう語った。
「レッドブルがバクー(アゼルバイジャンGP)でマシンに投入したものは、何であれ、明らかに大きな効果があったと思います」
フェラーリのルイス・ハミルトンも、予選後に同様の見方を示した。
「レッドブルは素晴らしい仕事をしています。バクーで投入したアップデートによって、最前線に躍り出たのだと思います」
レッドブルF1のローラン・メキース代表は、特性が大きく異なるサーキットでも速さを発揮できていることに、手応えを感じている。
「希望を感じられるのは、この3つがかなり異なるサーキットでありながら、いずれも競争力を発揮し、勝利を狙える状態だったことです」
■序盤には引退も真剣に考えたフェルスタッペン、新風洞に期待
この巻き返しがとりわけ印象的なのは、フェルスタッペンが2026年序盤の苦戦の中で、引退を真剣に考えたと認めているからだ。
フェルスタッペンはオランダ紙『De Telegraaf』に、こう語った。
「本当に厳しい時期を過ごしていたというのが実情です。特に今シーズン最初の数戦はそうでした。これまで、あんな気持ちになったことはありませんでした」
しかし、4度のF1王者であるフェルスタッペンは今、稼働を控えるレッドブルの新しい風洞※も、今後への期待を持てる理由として挙げている。
「来年に向けて最も重要なのは、新しい風洞を使えるようになることです」
※風洞:人工的に風を起こし、マシンの模型などに当てて空気の流れや空力性能を調べる実験施設
■ウォルフも驚き「今は明らかに圧倒的です」
メルセデスF1のトト・ウォルフ代表は、レッドブルの復活に驚かされたと認めた。
「何度も何度も復活してくる、その姿には脱帽するしかありません。彼は今、明らかに圧倒的です。現時点では、グリッドで最高のパッケージのように見えます」
それでもウォルフにとっては、アンドレア・キミ・アントネッリが選手権で依然として大きなリードを保っていることが、少なくとも安心材料となっている。
「シーズン序盤から大きなリードを築けていて、本当にうれしく思います」
■ラッセルはスプリントでクラッシュ、アントネッリは予選4番手
一方、メルセデスの週末は対照的な展開となった。ジョージ・ラッセルはウェットのスプリントでクラッシュしてリタイア。エンジン交換に伴うグリッドペナルティはすでに決まっており、日曜日の決勝は19番グリッドからスタートした。
ラッセルは、この事故を「とても愚かなミスでした」と振り返った。
元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、さらに厳しい言葉を向けた。
「だから彼は世界王者になれないのです。あれほど経験を積んだドライバーに、あのようなことが起きてはいけません」
一方、アントネッリは、扱いに苦しんでいるメルセデスの新しいパッケージを引き続き使用しながらも、いくらか挽回し、予選4番手を獲得した。
ラッセルは次のように語った。
「今日のキミが、昨日の僕たちより少し競争力を発揮できていたのは、前向きなことでした。ただ、目覚ましいラップタイムを出せたわけではありません」
その後の決勝では、アントネッリが3位で表彰台を獲得。ラッセルは9位に入賞し、2ポイントを獲得したが、選手権首位のアントネッリとの差は102ポイントに広がった。そして、選手権4位のフェルスタッペンは、2位のラッセルに17ポイント差まで迫ってきた。
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