ハースF1は、ギュンター・シュタイナー体制を終えた新時代において、目覚ましい進歩を遂げている。2024年から小松礼雄チーム代表体制となり、すでに好成績が続出している。
F1シンガポールGPでニコ・ヒュルケンベルグがポールポジションからコンマ6秒差の6番グリッドを獲得したことについて、「我々のような小さなチームにとってはポールポジションを獲ったも同然です」と小松代表は語った。
ドイツの『Auto Motor und Sport』誌は、エンジニア出身の小松代表が、チーム文化をうまく変えたと考えている。今では全員が意見を出し合いながら開発を進める環境が整ったようだ。「良いアイデアは誰から出たものであれ、すべて採用されるようになりました。以前は上層部が方向性を決めていました」と小松代表は語っている。
昨年までのハースはクルマのアップグレードは希で、うまくいかないことも多かったが、今シーズンはこれまでに3つの大きな開発ステップを踏み、ペースを上げることができた。
「最初のものは50パーセントしか機能しませんでしたが、2つ目は予測を上回る結果をもたらし、3つ目は1レース遅れました」
「最初のものについては、チームの何人かがすぐに、このパッケージを最大限に活用する方法についてアイデアを出しました。非難の声は一切なく、全員が力を合わせていました」
2023年には最下位だったハースが、現在ではウィリアムズ、アルピーヌ、ザウバーを上回り、RBに次ぐランキング6位を争うまでに成長。特に「夏休み以降、アストンマーティンを上回る速さ」を見せており、今後もさらに成績を伸ばすことが期待されている。
現在のハースは、他チームのような24時間体制でデータ分析を行う本社のサポート部隊は存在しない唯一のチームだろうが、小松代表は「今後、段階的にそのような体制を整える予定」とし、「そのような部署がただ騒ぎ立てるだけで、結局、ホームにいる者とトラックにいる者がどちらが優れたアイデアを持っているかで言い争うことになったら、何も得られません」と慎重にステップを踏む意向を示している。
もしハースがコンストラクターズ選手権でRBを追い抜いてランキング6位で終えられれば、1億ドル近い賞金(約145億円)を獲得できることになる。