・レッドブルCEOにメキースが就任、ホーナーは事実上の更迭
・人事刷新はフェルスタッペン引き留め策との見方も強い
・角田に信頼を寄せるメキース体制でチームの再建に期待集まる
レッドブル・グループは、ローラン・メキースが即時にレッドブル・レーシングのCEO職を引き継ぐという衝撃人事を発表した。
この人事に伴い、これまでレーシングディレクターを務めてきたアラン・パーメインがレーシングブルズの新チーム代表に昇格する。
レーシングブルズ発表のプレスリリースでは触れられていないが、20年間レッドブル・レーシングを率いてきたクリスチャン・ホーナーは事実上の更迭となった。
ローラン・メキースは次のように語った。
「この1年半、ピーター(・バイエル、レーシングブルズCEO)と共にチームを率いてこられたことは絶対的な特権でした。レーシングブルズの誕生に、すべての才能ある仲間とともに関われたのは素晴らしい冒険でした。チーム全体のスピリットは本当に素晴らしく、これはまだ始まりに過ぎないと強く感じています。アランは、このタイミングでバトンを渡すのに最適な人物です。彼はチームの隅々まで熟知しており、我々が初期に成功を収める上で常に重要な柱でした」
アラン・パーメインは次のように述べた。
「チーム代表という役割を担えることを非常に光栄に思いますし、私に信頼を寄せてくれたオリバー(ミンツラフ、レッドブル社CEO)とヘルムート(マルコ)に感謝したいと思います。ピーターと協力し、彼とローランが築いてきたチームの進化をさらに前進させることを楽しみにしています。これは私にとって新たな挑戦ですが、チームの全員が支えてくれると確信しています」
レッドブル・レーシングのオーナーであるレッドブル・グループ社は、不振にあえぐレッドブル・レーシングに大なたを振るった。2005年から代表としてチームを率いてきたクリスチャン・ホーナーを解任し、後任としてレーシングブルズのローラン・メキースを即時昇格させるという人事を発表した。
グループとしては、夏休みに入る前に体制を変更し、メルセデス移籍を検討していると噂されるマックス・フェルスタッペンを何としてもキープしたいとの思惑があると見られている。レッドブル・レーシングが求めるのは、結果を残せなくなったホーナーではなく、厳しい状況でも結果を出し続けるフェルスタッペンだという判断だ。
ホーナーはスキャンダルが発覚して以降、エイドリアン・ニューウェイら主要幹部が次々と離脱し、チームは急速に弱体化。ホーナーはチーム力でカバーできると主張していたものの、現場はますます混乱している。
ホーナーは今季のドライバー選定では角田裕毅を低く評価し、F1でフルシーズンの経験がないリアム・ローソンを昇格させたが、ローソンは開幕戦・第2戦と連続で予選Q1敗退を喫するなど散々な結果に。結局、わずか2戦で降格となり、第3戦F1日本GPから角田が昇格した。
角田は開幕戦オーストラリアGPで予選5番手、第2戦中国GPのスプリント予選8番手、通常予選は9番手と、トップ10常連の速さを見せていた。しかしレッドブル・レーシングではそのパフォーマンスを発揮できず、大苦戦。これによりマシン側の問題が明らかとなり、ヘルムート・マルコもそれを認めていた。フェルスタッペンはセルジオ・ペレスが苦戦していた際もチームメイトを擁護し、マシン改善の必要性を主張してきた。
ホーナーはオーナーに対し「イギリスGPのアップデートで巻き返す」と説得していたとされるが、結果は伴わなかった。フェルスタッペンがポールポジションを獲得したものの、決勝では5位、角田は11番グリッドから1周遅れの最下位という結果に終わった。
マシンとチームの立て直しの好例は、まさにKickザウバーの最近の活躍だ。マシンを着実に進化させたことで、ニコ・ヒュルケンベルグが239戦目にしてF1初の表彰台に立つなど、明らかな成果を挙げている。
チーム代表は元レッドブル・レーシングのジョナサン・ウィートリーで、2025年4月1日に就任。元フェラーリ代表マッティア・ビノットと共に、来季からのアウディ参戦に向けて改革を進めている。まだ安定した速さはないものの、荒れた展開を活かして結果を出し、チーム全体の士気は上がっている。
新たにレッドブルのトップに就任するローラン・メキースはフェラーリ出身で、若手育成においても「プレッシャーで鍛える」スタイルではなく、「意見をよく聞いて、褒めて育てる」スタイルだ。
レーシングブルズ時代から角田の実力を高く評価しており、明るく穏やかな雰囲気も相まって、チーム内の空気が良い方向へ変化することが期待されている。苦しい立場に立たされていた角田にとっても信頼される新体制のもとで実力を存分に発揮できる環境が整いつつある。
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