ボッタス「F1が24時間、すべてだった」 自分を追い詰めた若き日、心理学者に助けを求めた転機とは

2026年08月17日(月)7:00 am

記事要約


・2014年、速さを求め極端な減量にのめり込んだボッタス

・ビアンキの鈴鹿事故を転機に心理学者へ、心の限界を自覚

・自然や自転車、料理、サウナで築いたF1との新たな距離感


キャデラックのバルテリ・ボッタスが、F1だけが人生の中心だった若手時代と、そこから心身のバランスを取り戻すまでを振り返った。

ボッタスは2026年初めの寄稿で2014年当時の苦悩を明かしており、ベルギーGPの舞台スパでは、F1から意識を切り離すことの重要性について改めて語った。

■「レースが自分のすべて」速さを求め、極端な減量へ

ボッタスは2014年ごろ、「自分のアイデンティティのすべてがレースだった」と振り返っている。

少しでもラップタイムを縮めようと体重を落とし、食事を極端に制限するほど自分を追い込んでいた。

転機となったのは、2014年日本GPの鈴鹿で起きたジュール・ビアンキの事故だった。

その事故をきっかけに、自分の身に何が起きるかさえ気にかけられない状態にあることに気付き、心理学者へ助けを求めた。

面談では、レース以外に興味を持てず、ほかのことから喜びを得られていない状態を指摘された。

ボッタスは後に、「彼は正しかった。僕のアイデンティティのすべてがマシンだった」と振り返っている。

■「F1が24時間、すべてだった」苦しい経験から知った自分の限界

スパで改めてこのテーマについて尋ねられた36歳のボッタスは、若い頃とは考え方が大きく変わったと説明した。

「僕は辛い経験をしながら学ばなければなりませんでした。あの頃は24時間、F1のことばかりでした。でも、そこで自分の限界を学んだんです」

現在は、自然の中で過ごすことや自転車、旅行、料理、サウナなどを通じて、F1から意識を切り離す時間をつくっている。

F1以外からエネルギーを得ることが、長いキャリアを続けるうえで重要だと考えるようになった。

■36歳、キャデラックで戦う現在「冷静さ」と「野心」を巡り評価二分

現在はキャデラックからF1に参戦するボッタス。その落ち着いた姿勢についても、周囲からさまざまな声が聞かれる。

ハンガリーGPでブレーキトラブルに見舞われた際には、レーシングドライバーのレンガー・ファン・デル・ザンデが、その冷静な対応を評価した。

一方、元F1ドライバーのヤン・ラマースは、ボッタスとセルジオ・ペレスには、新チームに必要な野心やハングリー精神が感じられないと厳しく指摘している。

経験から生まれた落ち着きを強みと見るか、物足りなさと見るか。

評価が分かれるなかでも、ボッタスがF1と向き合う姿勢は、若い頃から大きく変わった。かつてはレースが自分のアイデンティティのすべてとなり、速さを求めるあまり心身を追い詰めたが、現在はF1以外にも自分を回復させる時間を持ちながらキャリアを続けている。

F1から意識的に離れ、十分なエネルギーを蓄えて再びサーキットへ戻る。その大切さを、ボッタスは苦しい経験を通じて学んだ。

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