平川亮、初予選19番手 F1公式が健闘評価、海外が注目する「経験豊富な新人」の実力とは/F1メキシコシティGP
10月31日(土)、2026年F1第19戦メキシコシティGPで、エステバン・オコンに代わってハースから出場した平川亮が、初めてのF1予選を19番手で終えた。
突然訪れたF1デビューの機会。海外では、初予選の順位だけでなく、限られた準備時間での対応や、他カテゴリーで積み重ねてきた経験にも目が向けられている。
■パーマーが注目「モータースポーツでは経験豊富」
元F1ドライバーでF1 TVの解説を務めるジョリオン・パーマーは、初予選に臨む平川について、次のように期待を寄せた。
「平川はすでにハースで3回のFP1を走っていますから、チームとマシンを知っています。もちろん、ほかのドライバーほどではありませんが、予選の最初のセッションで何ができるのか、とても興味があります」
「F1での経験は限られていても、モータースポーツでは経験豊富なドライバーです。ただ、Q2進出は難しい挑戦になるでしょう。今季はオコンやベアマンでさえ、Q2に進むのに苦労することがあります」
平川の経験を認めつつ、初めてのF1予選でどのような走りを見せるかに注目した発言だ。Q2進出の難しさについても、平川個人の経験だけでなく、ハースの今季の戦いぶりを踏まえて説明した。
■F1公式は初予選を肯定的に評価
F1公式サイトは予選レポートで、平川の結果を「respectable P19」と表現した。初めてのF1予選で記録した19番手を、「健闘」と捉えた記述だ。
さらに、各チームの予選を振り返る別の記事でも、平川が初挑戦で力を示したと評価した。チームメイトのオリバー・ベアマンから「約0.9秒差」だった一方、最後のアタックでトラフィックに遭遇した事情も併記している。
ハースによると、平川は新品ソフトタイヤで走行を重ねるたびにタイムを短縮。しかし、最速タイムの更新が見込まれた最後のアタックはトラフィックに阻まれ、それまでに記録していた「1分18秒958」で予選を終えた。
■小松代表は冷静さと進歩を評価「Q2進出は僅差の争いに」
ハースF1の小松礼雄代表も、急な起用という条件を踏まえ、平川の仕事ぶりを高く評価した。チーム公式サイトで次のように語っている。
「直前にマシンに乗ることになった点を考えれば、平川は本当に良い仕事をしたと思います。FP3では、着実に進歩していることがはっきり分かりました。Q1はタイヤが限界に近い状態にあり、いつも非常に難しいセッションですが、彼は冷静さを保ち、マシンの性能をほぼ引き出していました」
一方、最後のアタックでは、トラフィックの影響を特に受けやすい高速コーナーで他車に遭遇。小松代表は、Q2に進めたかどうかは分からないとしながらも、進出を巡って僅差の争いになっていただろうとの見方を示した。
■海外専門媒体はル・マンとフォーミュラの実績を紹介
海外の専門媒体は、平川がF1以外で築いてきたキャリアにも注目している。
F1専門媒体『RacingNews365(レーシングニュース365)』は、今回の起用を受けた人物紹介で、平川について、F1決勝への出走経験はなくても、他カテゴリーでは豊富な経験を持つドライバーと説明。
ル・マン24時間優勝やWEC(世界耐久選手権)連覇に加え、全日本F3王者、スーパーフォーミュラでの優勝、2020年のランキング2位といった実績も取り上げた。
米国のモータースポーツ専門媒体『RACER(レーサー)』も、起用を伝える記事に平川の経歴紹介を掲載した。SUPER GT、スーパーフォーミュラ、耐久レースなど、異なるカテゴリーで積み重ねた実績を紹介している。
■以前から評価されてきた経験と開発への貢献
平川への評価は、今回の初予選だけで生まれたものではない。
2023年9月、翌年のリザーブドライバーとして平川の加入を発表したマクラーレンは、シミュレーター開発や実車テストでの役割を説明した。マクラーレンF1のアンドレア・ステラ代表は、ル・マンやWECでの実績を評価し、豊富な経験がチームのさまざまな分野に役立つと期待していた。
また、ロイター通信が伝えた2025年のハース加入時のコメントでは、小松代表が前年のテストでのフィードバックの詳細さを評価し、平川に走行機会を与えることが、チーム全体の助けになると説明している。
なお、予選前のFP3では、平川はトップから「1.904秒差」の19番手で、15番手のベアマン「トップから1.327秒差」との差は「0.577秒」にとどまり、ヒュルケンベルグと並ぶ最多の32周を走行したほか、ベアマンが3回記録したトラックリミット違反も平川はなかった。
F1では初めての決勝に挑む平川だが、レースそのものの経験は豊富だ。初予選では最後のアタックをトラフィックに阻まれたものの、冷静な対応と着実な進歩が評価された。次は決勝で、その経験と対応力を発揮できるかが注目される。




