メルセデスAMG、「秘密テスト」問題の帰結については語らず

2013年05月31日(金)13:11 pm

メルセデスAMGの取締役であり、オーナーの1人でもあるトト・ヴォルフは、メルセデスAMGが秘密裏にピレリタイヤのテストを行ったことによりペナルティーを科される可能性についての発言を控えた。

今回の秘密テスト問題に関してマクラーレンのジェンソン・バトンが、最終的には「軽い叱責(しっせき)」で終わるのではないかと発言。しかし、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、2007年にマクラーレンがコンストラクターズ選手権からの除外と1億ドル(現在のレートで約100億円)の罰金を科された産業スパイ事件、いわゆる「スパイゲート」に匹敵するものだと語っていた。

これに関し、ヴォルフは『DPA通信』に次のように述べた。

「制裁について話したり、それについての懸念を表明することは、われわれの行うべきことではないと思う」

「統制された手順があるし、FIA(国際自動車連盟)の権限を尊重することになる。すべてのことが専門的、かつ透明性をもって行われるし、私としてはその手順に大きな信頼を寄せているよ」

今回のメルセデスAMGのテストに対して正式に抗議を申し立てたのはレッドブルとフェラーリだけだが、ほかのほとんどのチーム代表たちも同様の見方をしているとみられる。

「彼らはみんな、われわれも君たちの後ろについている、と言っているよ」、と語ったレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーだが、「4マイルほど後ろにね」との皮肉を付け加えることも忘れなかった。

しかし、ロータスのチーム代表エリック・ブーリエは、たとえピレリとFIAの間に契約があったにせよ、メルセデスAMGが競技規則を破ったことは間違いないと言い切っている。ブーリエは、『Sun(サン)』紙次のように語った。

「競技規則というものが運用されているし、チーム間のテストに関する協定だってあるのだからね」

マルシャのスポーティングディレクターであるグレアム・ロウドンも、それに同意し「私の理解では、シーズン中のテストは許されていないはずだが、あれはどう見てもシーズン中テストにほかならないよ」と述べ、さらに次のように付け加えた。

「法に基づいてきちんと調査されることになると思うね」

かつてフェラーリやザウバーで活躍した元F1ドライバーであり、FIAの競技委員を務めることもあるミカ・サロは、そのバルセロナでのテストが「秘密裏に」行われたことが各チームの怒りを買ったのだと考えている。サロはフィンランドの放送局『MTV3』へ次のように語った。

「ポール・ヘンベリー(ピレリ/モータースポーツ責任者)は、木曜(23日)と金曜(24日)に何時間もかけてメディア対応をしながら、テストについては何も言わなかった。実際のところ彼は、ピレリにとってタイヤの開発は非常に大変だ。なぜならテストができないからだ、と不満を述べていたよ」

「彼は、メルセデスAMGと3日におよぶテストをやったばかりだということを言い忘れていたんだろうね」

元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーも、ピレリとメルセデスAMGはどちらも非難されてしかるべきだと考えているようだ。

「ピレリは許せないね」と『Servus TV(セアヴスTV)』に語ったベルガーは、さらに次のように続けた。

「だが、もしピレリがきちんと説明できないことがあったのだとすれば、そのことを明確にする責任はメルセデスAMGにある」

今回の「秘密テスト」により、ピレリのF1での地位が危うくなるのではないかとの憶測も出てきている。

クリスチャン・ホーナーは、『EFE通信』へ次のように語った。

「彼らは有能な会社だ」

「そう、彼らは少し限度を超えたタイヤにしてしまった。だが、問題はピレリにあるのではない。問題は、そのやり方や、透明性の欠如にあるんだ」

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