現地時間2025年4月12日(土)に行われたF1第4戦バーレーンGPの予選後、2人のドライバーにグリッド降格ペナルティが科せられた。
●【2025F1第4戦バーレーンGP】結果・タイムスケジュール
ペナルティを受けたのは、メルセデスの2台だ。予選でジョージ・ラッセルは2番手、現役高校生F1ドライバーとして注目を集めるアンドレア・キミ・アントネッリは4番手を獲得した。しかし、両ドライバーとも、規則違反により1グリッド降格のペナルティを科された。
■予選Q2再開時の違反が原因
Q2序盤、エステバン・オコン(ハース)がクラッシュしてセッションは赤旗中断となった。その後、正式な再開時間の通知が出る前に、メルセデスの2台はピットレーンの「ファストレーン」に進入。この行為がルール違反とみなされた。
この結果、ラッセルは3番グリッド、アントネッリは5番グリッドからスタートすることになった。
ただし、奇数グリッドは走行ライン上にあり路面状態が良好なため、タイヤが汚れにくくスタート時のグリップにも優れる。位置によってはむしろ有利となる可能性もある。
■メルセデスは再開時刻を“誤認”?
この件についてメルセデスを代表して聴取に出席したエンジニアのアンドリュー・ショブリンは、「再スタート予定時刻」というメッセージを、実際の「再スタート時刻」だと誤って解釈したと説明した。
そして、2台にガレージから出るよう指示し、ファストレーンに並ばせたという。しかし当時はまだ残り11分もあり、早く並ぶことによる利点はなかったと主張している。
■FIAは「スポーツ上の利点あり」と判断
一方でFIAスポーティング・ディレクターは、「仮に残り時間が数分しかなかった場合、先に並んでいたことが明確なアドバンテージになっていた可能性がある」として、スポーツ上の利得と見なした。
また、違反への処分としてはチームへの罰金ではなく、より抑止力のあるグリッド降格ペナルティが妥当だと判断。スチュワードもこれに同意した。
ショブリンは「スチュワードが前例がないと認めた場合、非スポーツペナルティで対応することも可能だ」と主張したが、スチュワードは今回のケースについて、スポーツペナルティが適切だと結論づけた。
ただし、違反が故意ではなく、チームの純粋な判断ミスであった点や、ショブリンが聴取の場で謝罪したことも考慮され、ペナルティは1グリッド降格にとどめられた。
FIAは今後、同様の違反が異なる状況で発生した場合には、より厳しいスポーツペナルティを科す可能性があるとして、この文書で全チームに警告を発している。