記事要約
・アロンソは「フェルスタッペンのアストンマーティン加入は現実的でない」と否定的な見解を示した。
・フェルスタッペンの移籍先候補にはメルセデスが挙がるが、現行ドライバー2人の処遇が課題となっている。
・フェルスタッペン自身は動向に冷静な姿勢を見せており、レッドブル残留が最有力とされている。
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■アロンソ「フェルスタッペンのアストン加入は“まずない”」
ニューウェイは2025年マシン開発に専念、ホンダとの新体制にも注目
フェルナンド・アロンソは、2026年にマックス・フェルスタッペンがアストンマーティンに移籍する可能性について、「ほとんどあり得ない」との見解を示した。
現在、エイドリアン・ニューウェイは2025年型マシンの開発に注力しており、ホンダは2026年からアストンマーティンとの新たなパートナーシップを開始する予定だ。フェルスタッペンには、年俸1億ドル(約155億円)規模の巨額オファーが噂されているが、アロンソはこう語る。
「私は来年も契約がありますので、彼が来るとは思っていません」
また、2026年にはランス・ストロールも契約下にあることから、アロンソは「フェルスタッペンのアストン加入は現実的ではない」と強調している。
■メルセデス移籍の可能性は? “2人の交代”が必要な状況も
一方、フェルスタッペンの去就を巡っては、メルセデスへの移籍も有力候補として浮上している。メルセデスは2026年に導入される新エンジン規定への対応に自信を見せており、その影響から、レッドブル代表クリスチャン・ホーナーがジョージ・ラッセルと接触したとの噂も出ている。
しかし、ドイツの『Auto Motor und Sport』編集者ミヒャエル・シュミットは、こうした報道に慎重な姿勢を示している。
「もしフェルスタッペンがメルセデスに移籍する場合、今の2人のドライバーのうち誰かを外さなければならない」
ここで言及されているのは、ジョージ・ラッセルと、トト・ヴォルフが育成中の18歳、まだ高校生のアンドレア・キミ・アントネッリの2人だ。
「どちらも“メルセデスファミリー”の中核であり、簡単に手放せる存在ではありません。ラッセルを外せば、アントネッリとフェルスタッペンのコンビになりますが、それはアントネッリにとって非常に大きな重圧になる。2年目は若手にとって難しい時期であり、キャリアに悪影響を及ぼす恐れすらあります」
さらにシュミットはこう続けた。
「フェルスタッペンは、自分を中心にチームを構築することを望むタイプであり、それはかつてのミハエル・シューマッハやアイルトン・セナにも共通していました。彼にはそれを求めるだけの正当性があります」
■ヴォルフ、ラッセルとアントネッリを高評価
メルセデス代表のトト・ヴォルフも、現在のドライバーラインアップに高い評価を与えている。とくにジョージ・ラッセルについては、次のように語った。
「ヨーロッパラウンドが始まる頃に、ジョージとの契約交渉を再開します。彼のパフォーマンスは非常に安定しており、我々の期待にも応えてくれている。現時点で彼に何かを求める理由はありません」
また、アントネッリについても成長に満足していると述べた。
「非常に順調です。成長の方向性は正しく、無謀な走りも見られません。特に週末の終盤には必ず速さを見せています。これは、クルマやタイヤのマネジメントを理解し始めている証拠です。アントネッリは計画通りに進んでいます」
■フェルスタッペンはレッドブル残留が最有力か
現在、最も現実的とされているのは、フェルスタッペンが2028年までの現行契約を全うし、レッドブルに残留するシナリオである。
元F1王者セバスチャン・ベッテルは、先週末のサウジアラビアGPで次のように語った。
「こうした状況だからこそ、チームとの結束が深まるものです。人の出入りはF1ではよくあることですし、タイトルを取れない時期もある。今は再構築のチャンスだと思います」
フェルスタッペン本人も、報道合戦を冷静に見つめているようだ。
「パドック中が僕の動向について話しているけど、僕自身は何も言っていません」
さらにオランダメディアには次のように語っている。
「みんな記事のネタが欲しいだけなんだ。速いクルマに乗りたいのは誰だって同じだけど、だからといって成績が悪くなったからすぐに逃げるわけじゃない。常に勝てるとは限らないしね」