・FIAがジュニア&シニア向け電動カートカテゴリーを正式承認
・電圧60V上限や中央バッテリー配置など安全重視の新技術規定を制定
・2026年には新選手権創設で“黄金の一年”を迎える見通し
FIA(国際自動車連盟)は、カート競技の新時代を切り開くべく、ジュニアおよびシニア向けの電動「eカート」カテゴリーを正式に承認した。これにより、持続可能なエネルギーを活用した新たな国際シリーズや選手権が世界各地で誕生する見通しだ。
FIA世界モータースポーツ評議会(World Motor Sport Council)は、ジュニアおよびシニアeカートクラスのための新しい技術・公認(ホモロゲーション)規定を承認した。
この規定には、電動ドライブトレインの供給条件、電圧制限、車両重量、パワートレインの統合方式などが含まれており、世界中で新しいeカートイベントやシリーズが開催できる体制が整った。
今回の新クラスは、2023年に導入された「eカート・ミニ」クラスの技術規定を拡張したもので、FIAは電動カート分野での国際的な枠組みをさらに拡充する。
ジュニアおよびシニアクラスの両方で電圧上限は60Vに設定され、バッテリーはステアリングコラム下の中央に搭載しなければならない。側面への設置は禁止されている。この配置は、過去1年間にわたりFIA技術部門と安全部門が行った研究・試験の結果を反映したもので、安全性と性能の両立を目指したものだ。
また、電動ドライブトレインはFIAの公認対象となり、再充電式エネルギー貯蔵システム(Rechargeable Energy Storage System)の最大出力はジュニアクラスが23kW、シニアクラスが28kWに制限される。
eカートは、持続可能なエネルギーを用いた新しいレースカテゴリーとして、FIAが掲げるサステナブルなモータースポーツの理念を体現するものとなる。FIAカート委員会のアクバル・エブラヒム会長は次のように語る。
「eカートは、世界のカート競技の発展に大きく貢献する可能性を秘めています。今回の新規定によって、世界中で新しいイベントや選手権が生まれるでしょう。新クラスの発足に加え、初の『アライヴ&ドライブ・コンチネンタル・チャンピオンシップ』、そして史上最大規模となるFIAカートカレンダーによって、2026年はカート界にとってまさに黄金の一年になるでしょう」
環境対応と競技性の両立を図るeカートの誕生は、FIAカート競技の未来を大きく変える一歩となりそうだ。近い将来、eカート出身のF1ドライバーやフォーミュラEドライバーが誕生する日も訪れるだろう。
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