・レッドブル不振でワシェへの圧力増大 更迭候補として去就に注目が集まる
・RB22はシャシー問題で1秒以上遅れ 改良も効果なく深刻な状況が続く
・内部不和と士気低下が顕在化 マイアミGPが体制の行方を左右する分岐点
レッドブルの不振が深刻さを増す中、テクニカルディレクターのピエール・ワシェに対するプレッシャーが急速に高まっている。2026年シーズンの壊滅的な滑り出しを受け、チーム内で最初の“更迭候補”になる可能性も取り沙汰されている。
かつて、レッドブルの最高技術者と呼ばれた、エイドリアン・ニューウェイの離脱後、ワシェはF1でも屈指の重責を担う技術者のトップとして矢面に立たされてきた。しかし、新体制は早くも壁に直面している。
元F1ドライバーのラルフ・シューマッハはドイツ『Sky Deutschland』で厳しい見方を示す。もっとも、即時解任が解決策とは考えていないようだ。
「正直に言って、彼には荷が重すぎます。完全に交代させるべきとは思いませんが、経験豊富な人物でも若手でもいいので、優秀な人材を迎え入れる必要があると思います」
レッドブルの低迷は、新たにフォードと開発したパワーユニット(PU)ではなく、主にシャシーに起因しているとみられる。複数の報道によれば、マシンはトップから1秒以上遅れており、そのうち約0.8秒がシャシー由来とされる。
RB22は重量過多に加え、極めて不安定な挙動を示している。アンダーステアとオーバーステアが予測不能に切り替わるなど、ドライバーにとって扱いづらい特性だ。
日本GP後、レッドブルのドライバー、マックス・フェルスタッペンは次のように語った。
「ほとんどドライブ不可能なマシンだった」
鈴鹿で投入されたアップグレード(改良型アンダーボディやサイドポッド)も効果を発揮せず、問題の根深さが浮き彫りとなっている。
チーム代表ローレン・メキースも厳しい現実を認める。
「解決しなければならない問題が山積みです。このようなフェーズは誰も望んでいません。トップとの差は大きく、差を縮めるには奇跡のような劇的な改善を期待するべきではないでしょう」
フェルスタッペンの新チームメイト、アイザック・ハジャーはフランスの衛星テレビ『Canal Plus』に本音を語った。
「マシンは本当に運転不能でした。走らせるには危険すら伴うほど。(チーム内の士気も)良い状態ではありません。チーム全員が原因を突き止めようと懸命に取り組んでいます。次回のアップデートで状況が大きく変わることを願っています」
シューマッハは、単なる技術的問題にとどまらないと見ている。
「レッドブルは、早急にトップとの差を埋めなければなりません。マシンは明らかに深刻な状態です。フェルスタッペンがこれほどコースアウトするのは、これまで一度もなかったことです。舞台裏で何か深刻な問題が起きていると考えられます」
実際、重要人物の離脱後、内部で緊張が表面化したと報じられている。さらに姉妹チームのレーシングブルズがランキングでわずか2ポイント差に迫るなど、かつての絶対王者にとっては屈辱的な状況となっている。
マイアミGPでは大規模アップグレードが予定されており、この一戦がワシェの今後を占う重要な分岐点となる可能性が高い。
一方、フェルスタッペンはF1以外の活動で気分転換を図っている。4月のインターバル期間中にはドイツのニュルブルクリンク北コース(ノルドシュライフェ)での走行を予定し、5月の24時間レースに向けた準備を進めている。
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