・ADUO巡り激突 レッドブル代表がメルセデスの優位性を主張
・「コンマ3秒差」を指摘 ホンダのみ救済を求めるウォルフの見解を否定
・性能評価の難しさを認めつつ、レッドブルは後半戦の挽回に自信
レッドブルF1代表のローラン・メキースは、F1の新たなエンジン性能調整システムを巡る政治的な論争の中で、メルセデスF1代表であるトト・ウォルフの主張に反論した。
FIA(国際自動車連盟)は現在、「ADUO(追加設計およびアップグレード機会)」と呼ばれる新ルールに基づき、各メーカーのパワーユニット(PU)性能差の評価を進めている。これは、トップから引き離されているサプライヤーに対し、特別に開発の自由を認める救済措置だ。
ウォルフ代表はこの対象について、ホンダF1のPUのみが該当すべきであり、他のメーカーはすでに均衡していると主張。しかしメキース代表はこの見方を否定し、メルセデスがいまだ明確なアドバンテージを保持していると指摘した。
「このランキング設定を巡る駆け引きは開幕戦から続いていますが、我々はそこに加わるつもりはありません。評価が難しいことは承知していますが、見えている事実を伝えているだけです。我々の見立てでは、メルセデスは依然として大多数に対して大きなリードを築いています。そして、確かにホンダF1が特に後れを取っているのも事実です」
メキース代表はその差について、具体的な数値も明かした。
「内部の推計では、ラップ当たりコンマ3秒です」
メキース代表は、レッドブルがADUOの恩恵を受けるために不利な状況を装っているという疑いを強く否定。むしろメルセデス側に、自らの優位性を隠蔽する動機があるのではないかと示唆した。
「メルセデスは現在、非常に大きなアドバンテージを持っています。彼らがその優位性を控えめに見せたくなるのは、立場上理解できることです」
同時にメキース代表は、FIAが各チームの実力を正確に見極めることが極めて困難であることも認めている。
「誰がどの位置にいるのかを客観的に判断するのは、FIAにとっても極めて難しい作業です。内燃エンジンとバッテリーのバランスや、小型か大型かといったターボのサイズ選択、排気ブローの有無など、多くの要因が絡み合っています。決して簡単な仕事ではありません」
現状では後れを取っているものの、メキース代表は今後の巻き返しに自信を示した。
「新しいPUは明らかに期待を上回っています。このコンマ数秒は取り戻さなければなりません。マイアミGPで実現するわけではありませんが、必ず実現させます」
一方で、ADUOによる優遇措置が即座のアップグレードにつながるとの見方については慎重な姿勢を示した。
「理論上は判定直後から開発の自由が得られますが、我々がすぐに対応できるかといえば難しいでしょう。現実的には、少なくともシーズン前半での投入はないと思います。」
【関連記事】
●フェラーリの新兵器“マカレナ・ウイング”が波及 レッドブルも追随、F1勢力図に変化なるか