FIA会長モハメド・ベン・スレイエムは、より軽量でエンジン音が大きく、コストの安いV8エンジンを搭載するF1マシンへの回帰を、引き続き強く訴えている。
F1では現在、2027〜2028年に向けたエンジンレギュレーション修正について、メーカー側の合意形成が進んでいる段階にある。しかし、ベン・スレイエム会長の視線は、すでにその先となる2031年以降の次世代ルールサイクルへ向けられている。
フランスのテレビ局『Canal Plus』のインタビューで、同会長は現在のF1マシンについて「複雑すぎる」「高価すぎる」「重すぎる」と厳しく指摘した。
ベン・スレイエム会長は、近年のF1マシンが抱える最大の課題として、コストと重量の増加を挙げている。
「今のマシンの最も大きな問題点は何でしょうか?」と問われると、次のように語った。
「システムの複雑さ、開発にかかる莫大な費用、そしてコスト、さらに大きなマシンです」
そのうえで、「大きく重いマシンは何を意味するのか。それは安全ではないということです」と持論を展開した。
FIAはこれまで安全性向上の観点からマシン重量の増加を容認してきたが、ベン・スレイエム会長はその流れを反転させる必要があるとの考えを示している。
同会長は将来の理想像として、大幅な軽量化を掲げている。
「完全な状態のマシンで650kg未満、目標は630kgです」と明言した。
その実現手段として挙げたのが、自然吸気V8エンジンとサステナブル燃料の組み合わせだ。
「内燃機関のパワー、おそらく760馬力に加え、10%程度の電動化になります。それはエンジン音を生み出し、そしてはるかに安価になります」
さらに、「研究開発コストも大幅に下がります。エンジンはより軽く、より楽しく扱えるものになり、何より観客は再び“あの音”を楽しめるのです」と続けた。
ベン・スレイエム会長は、この構想がチーム、マニュファクチャラー、そしてファンを含むF1全体に利益をもたらすと確信している。
ベン・スレイエム会長は、この改革案の実現にはチームやパワーユニットメーカーとの協議が不可欠だと強調する。
「特にパワーユニット供給チームとは、しっかりと協議することが重要です」と述べた。
そのうえで、合意が得られるのであれば、導入時期の前倒しにも前向きな姿勢を見せた。
「もし(2031年より)1年早く実現できるのであれば、とても良いことです。その方がより簡単で、より安価だからです。」
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