ザウバーのチーム代表ペーター・ザウバーが、同チームに所属し、フェラーリ移籍のうわさがあるセルジオ・ペレスについて、フェラーリが不調に苦しむ今は移籍するのにいいタイミングではないと語った。
今年のマレーシアGPを見た人は、「未来のチャンピオンの開花」を目の当たりにした。こう見ているのはかつて80年代にフェラーリのドライバーを務めていた元F1ドライバー、パトリック・タンベイだ。
ペレスは、25日(日)に行われたマレーシアGPにおいて、天候の変化を味方につけて素晴らしい走りを披露。レース終盤ではトップを走るフェラーリのフェルナンド・アロンソをあとわずかというところまで追いつめて見せ、最終的にF1で自身初となる2位表彰台という結果を残している。
ペレスは現在、ザウバーと契約を結んでいるものの、同時にフェラーリのドライバー育成プログラムに所属する精鋭でもある。タンベイは『RMC』に対し、ペレスは間違いなくフェラーリに移籍することになるだろうと語った。
フェラーリはザウバーへエンジンを供給しているとともに、以前から政治的にも協調路線を歩んできた間柄でもあり、そうした見方をすることも自然な成り行きだろう。
しかし、ザウバー代表は、少なくとも今すぐにペレスがフェラーリに移籍することはないとしている。ザウバー代表は今週、チーム本拠地のあるスイスのチューリッヒ空港へ到着した際、『Blick(ブリック)』紙の取材に対して次のように答えている。
「もしフェラーリのようなチームがペレスに興味を持っているとしたら、それはわれわれに対する賛辞だと受け止めておくよ。しかし、セルジオはわれわれと2012年の契約を結んでいる。これは昨年合意に達したものであり、それが尊重される。フェラーリとは何の話もしていないよ」
さらにザウバー代表は、今年のフェラーリのクルマが必ずしもタイトルを狙えるようなものではないことをほのめかしつつ、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に「ペレスにとって今フェラーリへ行くのはタイミングが悪いだろう」と語っている。