今シーズン終了後にマクラーレンを脱退するルイス・ハミルトンとチームとの信頼関係が崩れているといううわさにチームメートのジェンソン・バトンが怒りをあらわにした。
来季メルセデスAMGに移籍が決まっているハミルトンだが、第15戦日本GP(10月7日決勝)前に不仲のニュースが広まって以来、ツイッター上の発言がバトンとの誤解を招いたり、鈴鹿でハミルトンが計画したお別れ会にメカニックたちは欠席し、結局中止になったりと、関係は確実に冷め切っている。
さらに第16戦韓国GPでは、ハミルトンがチームのミーティングに遅れてきたという。これを受けてイギリスの『Sky(スカイ)』のレポーターは、来季マクラーレンに新加入の“セルジオ(ペレス)だったら遅刻しないはず”とするバトンのコメントを報じている。
しかしバトンは、『Reuters(ロイター通信)』にこう話す。「そんなことは、ひと言もいっていないよ」
「チームとドライバー間の出来事をあのようにこじつけるなんて、まったく何を考えているんだ。すべてウソだよ」
F1デビューから6年を過ごしたマクラーレンを離れるとあって、イギリスのマスコミは、かつてないほどハミルトンの一挙手一投足に注目している。
韓国GP後、ハミルトンは10位入賞についてこう話している。「こんな日は早く忘れたいね。この1年もだ。新たなスタートが切れる来年に期待しているよ」
イギリス『Mirror(ミラー)』紙にバトンは、次のように語っている。「僕なら違ういい方をするね。口を開くときは言葉を選ぶよ。でもあれがルイスの意見だ。気持ちは分かる」
ハミルトンは、今もマクラーレンとの仕事に専念していると言い切っている。
「僕は最後の最後まで100%の力をチームに注ぐよ」
「人々は僕とジェンソンの間に問題があるようにいうけれど、僕らには何のわだかまりもない」
「何年もこのチームで過してきて、僕らは素晴らしい関係を築いている。僕とチームは相思相愛さ」
バトンはイギリス『Express(エクスプレス)』紙で、次のように同調する。「僕の目からみても、ルイスはしっかり集中しているし、レースに勝ちたいという気持ちが伝わってくる」
「だから何も変わっていないよ。数人の人間が騒いでいるだけさ。何かを伝えるときは、正確にやってほしいね」
「今年を最後に出ていくと決めたのはルイスだ。僕にはルイスの決断が正しいと思えないけどね」
「でも、チームは彼を勝たせるために精いっぱい努力するはずさ」とバトンは締めくくっている。
マクラーレンのチーム代表を務めるマーティン・ウィットマーシュは、ハミルトンの離脱前に、ふさわしい贈りものをすると次のようにイギリスの『Telegraph(テレグラフ)』紙に話している。
「ルイスはチームから愛されている。本人もそれを知っているよ」
「今はルイスを含め、多くのチームスタッフが感情的になっている。でもいったんサーキットに出れば、われわれはレースに集中する」と語り、ウィットマーシュはハミルトンのタイトル獲得を諦めていない。