ピレリのモータースポーツ責任者であるポール・ヘンベリーが、今シーズン、ロータスとフェラーリがピレリのタイヤに関して不公平なアドバンテージを得ているとの指摘を一笑に付した。
ロータスの今季型車であるE21が、ほかのチームにとっては激しい性能低下に悩まされている今年のタイヤに対して優しいクルマとなっている。この理由としてF1パドックをかけめぐっているひとつの仮説は、ピレリがテストに用いているのが現在のロータスの前身であったルノーによって設計された2010年型車R30だからだというものだ。
これに対し、ヘンベリーはドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』誌へ次のように述べている。
「われわれのテストデータによっていずれのチームもアドバンテージを得るようなことがないよう、確実にすべての作業を行った」
ヘンベリーはさらに、ライバルチームたちがピレリにテストカーを提供する負担を分け合ってほしいという申し出を拒否していたという報道を認め、次のように続けている。
「彼らに対して、交互にわれわれのタイヤをテストして欲しいという提案さえ行っていた。だがわれわれの提案はどれも人気がなかったよ」
「だから、彼らも今になって文句を言うことはできない」
また、ヘンベリーは、ピレリの中心的テストドライバーであるハイメ・アルグエルスアリとフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が同じスペイン人であることを利用し、フェラーリが彼らを通じてアドバンテージを得ているというかなり乱暴な仮説についても否定している。
ヘンベリーは笑いながら、「誰かが教えてくれたんだけど、ハイメとフェルナンドはお互いに話をすることさえないらしいよ」と語った。
「いずれにせよ、どうやってコメントを設計に変換することができたって言うんだい?」といぶかしがったヘンベリーは、次のように続けた。
「それを実現するのは大変だよ」
「それに、もしそこから何かを得ることができたとしても、それは最小限のことにしか過ぎないだろうね」