・HRCは2026年スーパーフォーミュラ参戦体制を発表し、7チーム10台で二冠防衛を目指す。
・岩佐歩夢や牧野・太田ら強力布陣が継続し、松下信治や野村勇斗など注目の復帰・昇格組も参戦。
・SFは来場者数が2年連続で最高記録を更新し、F1に近い高い競技性で人気が急上昇している。
株式会社ホンダ・レーシング(HRC)は12月23日、2026年の全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)に向けた参戦体制を発表した。
2025年は岩佐歩夢が悲願のドライバーズタイトルを獲得し、チームタイトルはダンディライアンが制覇し、ホンダ勢は“二冠”を達成。2026年は7チーム・10台で臨み“二冠防衛”を目指す。
2025年ドライバーズチャンピオンの岩佐歩夢(24歳)がチーム・ムゲンで継続参戦。チームメイトは、SFで2度の王者を経験し、2025年はランキング5位の野尻智紀(36歳)。
岩佐はF1でレッドブルおよびレーシングブルズでシミュレーターおよびリザーブドライバーとして経験を積み、SF王者として迎える2026年は、連続タイトルを狙う重要なシーズンとなる。
ムゲンは26.5ポイント差の2位だったが、同じドライバー体制でチームタイトルも狙う。
2025年のチームタイトルを獲得したダンディライアンは、最終戦までタイトルを争った牧野任祐(28歳/4位、2勝)と太田格之進(26歳/3位、3勝)の強力ラインアップを継続。2025年は両ドライバーで全12戦中5勝を挙げており、安定して上位を争える実力ドライバーとともに、チーム連覇の最有力候補といえる。
ハザマ・アンドウ・トリプルツリー・ レーシングからはJUJU(ジュジュ、19歳)がエントリー。チームとしては2年目、JUJUは経験を積みつつ3年目となる2026年に挑む。
スリーボンド・レーシングの12号車は現在ドライバー未定。
SF新規参戦のディライトワークス・レーシングは、松下信治(32歳)とともに挑む。松下は2024年以来のスーパーフォーミュラ復帰、F2など海外での豊富な経験を活かした走りに注目が集まる。
サンエイゲン・ウィズ・ビーマックスは、2025年スーパーフォーミュラライツ(SFL)のチャンピオン野村勇斗(20歳)が、SFへステップアップ。野村はSFLで圧倒的な強さを発揮した注目株、ホンダの次世代を担う存在として期待がかかる。
ポノス・ナカジマレーシングは、佐藤蓮(24歳/7位)と、イゴール・オオムラ・フラガ(27歳/6位)が続投。
日系ブラジル人3世のフラガは、2025年はSFルーキーながら初優勝も達成し、2025ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。ブラジル代表として出場したFIAグランツーリスモ・チャンピオンシップ国別対抗個人戦部門「ネイションズカップ」では初代王者に輝いた実力者でもある。
佐藤蓮は、ホンダレーシングスクール鈴鹿(HRS)の前身SFS-F出身で、SF参戦5年目で初優勝を狙う。
ナカジマレーシングは2025年チームランキング4位。布陣を継続し、2026年は上位を狙う。
SFは、年間来場者数が2年連続で過去最⾼記録を更新。“HUMAN MOTORSPORTS”を掲げて2年、2025年は26万3900⼈となり、2024年の20万9600⼈を上回った。2025年チャンピオン決定戦となった最終戦・鈴鹿には決勝3万6000⼈、3⽇間合計6万9200⼈が来場した。
F1に最も近い速さを持つSFは、車体は共通仕様、エンジンはホンダとトヨタの2種類。厳格なルールに基づき大きな性能差はないと言われている。そのため、セッティングやピットストップ、ドライバーの走りなどわずかな差や小さなミスで順位が大きく変動し、ドライバーたちが語るように非常にレベルの高い選手権となっている。F1シートを目指す海外勢の注目も高まっている。
SFは、ドライバーのテクニック、ピットストップを含むチーム戦略など「人間力」が勝敗を大きく左右するため、“HUMAN MOTORSPORTS”というコンセプトを掲げている。