今季でフェラーリを去るフェリペ・マッサ。残りのレースも滅私の精神で走ってくれるだろうか? 会長のルカ・ディ・モンテゼモーロは17日(火)、マッサのチームプレイ精神を信じる一方、マッサ本人は「自分のためだけに走る」。
11月24日(日)に決勝が行われる今季F1最終戦ブラジルGPをもってマッサはフェラーリの職を解かれ、キミ・ライコネン(ロータス)に取って代わられる。今週マッサは、『Globo(グローボ)』へ次のように話した。「20日(金)のF1シンガポールGP初日を境に、僕は自分のためだけに走るよ」
「毎周回、全力でアタックする。これから、自分の面倒は自分でみなくちゃね」というマッサは、2014年に向けてロータスならびにマクラーレンと交渉中であることを認めている。
しかしながらモンテゼモーロは、チームもドライバーズタイトルを狙うエースのフェルナンド・アロンソも、引き続きマッサの協力を得られるものと確信している様子だ。
「フェリペにはいい形でシーズンを終えてもらいたい。彼は素晴らしい人間だからね。フェルナンドに協力したがらないんじゃないかって? そんなのナンセンスだ。彼なら絶対にやってくれる」と、モンテゼモーロはイタリア『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』紙に語る。
「アロンソのドライバーズ選手権と同時に、フェラーリのコンストラクターズ選手権獲得にも手を貸してくれるだろう」
8年もフェラーリに尽くしてきたマッサだが、締めくくりは後味の悪いものになりかねない。2008年にランキングで上回った当時のチームメート、ライコネンに自らのシートを明け渡さなければならないからだ。
ライコネンとアロンソの組み合わせは、フェラーリにとって賢明な手段とは思えないとマッサは言う。
「僕は、サーキット内外のフェルナンドとキミを、よく知っている。彼らはどちらも優れたドライバーだけど、チームに内紛が起こるんじゃないかと思うよ」
「彼ら(フェラーリ上層部)には、今のうち思う存分、深呼吸しておくように言ったよ。きっと来シーズンは満足に息もできなくなるからね」
フェラーリがニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)起用を検討したのは間違いない。しかしモンテゼモーロは、マッサに替えて「複雑な2014年シーズンを若手で乗り切ろうとするのは、チームの士気にかかわる」と考えている。
「マッサ(解雇)を振り返って後悔する」ようなことはしたくないというモンテゼモーロ。従って、「アロンソ、ベッテル(セバスチャン・ベッテル/レッドブル)、ハミルトン(ルイス・ハミルトン/メルセデスAMG)」並みの実力を持ったチームメートを獲得したのだという。
「ライコネンがチームに来ると聞いて最初に喜んだのはアロンソだった」と語るモンテゼモーロ。アロンソが明らかに嫌がるドライバーと契約するほどフェラーリは「自虐的」なチームではないということだった。