この記事の要約
・F1は2025年からタグ・ホイヤーを公式タイムキーパーに迎え、75周年を記念してLVMHとの10年契約を開始する。
・タグ・ホイヤーはこれまでにF1で数々の成功を収め、フェラーリやマクラーレン、レッドブルといったチームとの提携を通じて深い関係を築いてきた。
・今回の提携により、F1とタグ・ホイヤーは広告やイベント、新製品展開を通じ、トラック内外でブランドの存在感を強化していく。
F1は2025年から、高級時計ブランドのタグ・ホイヤーを公式タイムキーパーとして迎えることを発表した。今年は、F1の75周年記念と、LVMHとの10年間の新パートナーシップが始まる節目の年となる。
タグ・ホイヤーはモータースポーツ界で豊かな歴史を誇るブランドで、1969年には初めてF1カーにそのロゴを掲載。1971年にはF1チームのスポンサーを務めた最初の高級ブランドとなった。また、チームとのさまざまな契約を通じて、これまでに230勝、表彰台595回、コンストラクターズチャンピオンシップ11回、ドライバーズチャンピオンシップ14回に関与しており、F1と関わるブランドの中で最も成功を収めているブランドの一つだ。
タグ・ホイヤーとF1チームの関係は1971年、イタリア・フィオラノに新設されたフェラーリのテストコースで使用するタイミングシステムとしてタグ・ホイヤー(当時の「ホイヤー」)が選ばれたことに始まる。その後、1985年にはマクラーレンとのパートナーシップを開始。この関係はF1史上最長のひとつとなり、アイルトン・セナ、ミカ・ハッキネン、ルイス・ハミルトンといった名ドライバーたちがマクラーレンで活躍した。
マクラーレンとの30年間にわたるパートナーシップは2015年に終わりを迎えたが、その後タグ・ホイヤーはレッドブルと新たな提携を結んでいる。
F1の社長兼CEOであるステファノ・ドメニカリは、次のように述べた。
「タグ・ホイヤーをF1の公式タイムキーパーとして迎えることができ、大変嬉しく思います。イノベーション、正確さ、そして卓越性を追求する姿勢は、F1にとって理想的なパートナーです。75周年を迎える中で、F1とタグ・ホイヤーが共に築き上げてきた歴史が新たな物語を紡ぐことを楽しみにしています」
タグ・ホイヤーのCEOであるアントワーヌ・ピン氏は、次のように述べた。
「F1は精神力、体力、戦略、イノベーション、そしてパフォーマンスによって定義されるスポーツです。その中心に位置する公式タイムキーパーとしてタグ・ホイヤーが携われるのは自然なことです。
これまでにF1で最も成功を収めたドライバーやチームと繋がりを築いてきた私たちにとって、勝者を定める『時間』という概念に名称が刻まれることは光栄であると同時に、特権だと感じています。
F1がこれまで築いてきた驚異的な成果をさらに発展させていく中で、その旅路に参加し、新たな物語を創ることに心から期待しています」
タグ・ホイヤーは公式タイムキーパーとして、コースサイドのブランディング、ファンゾーンやパドッククラブでの活動、新製品ラインの展開などを通じて、トラック内外で重要な存在感を発揮する予定だ。