記事要約
・元F1チーム代表のフランツ・トストが、24戦のF1カレンダーに批判的な意見を「冗談だ」と一蹴。
・「メカニックは働きすぎではない」と主張し、90年代のテスト中心のスケジュールの方が過酷だったと指摘。
・F1はレース数をさらに増やすべきとし、「26戦も可能」と持論を展開。
■ フランツ・トスト、F1の過密日程批判に反論「24戦は問題ない」
元F1チーム代表のフランツ・トスト(69歳)が、現在のF1カレンダーが「過密すぎる」との批判に強く反論した。
トストは2023年末に現レーシングブルズ(旧アルファタウリ)の代表を退任したが、最近のF1スケジュールへの批判には全く賛同しないようだ。「メカニックが働きすぎというのは全くの冗談です。彼らは全くそんなことはありません」と語り、「24戦のスケジュールは全く問題ありません」と主張した。
■ 90年代のF1の方が過酷だった?
トストは自身がF1に関わり始めた90年代の状況を引き合いに出し、当時の方がはるかに厳しい環境だったと指摘する。
「レース週末が終わると、火曜日、水曜日、木曜日にはテストをしていました。しかも最初はテスト用のマシンが2台ありました。そして、いつも同じメカニックとエンジニアが働いていました。当時、彼らから不満を聞いたことは一度もありません」と振り返った。
さらに「今のF1には夜間の作業禁止時間(門限)があって、夜9時から朝8時までは仕事ができません。それ以上の何を求めているのでしょうか?彼らはF1で働くことができるのですから、特権ですよ」
■ 「ワークライフバランスなんて不要」
近年F1チームのスタッフやドライバーたちの間で「ワークライフバランス」の重要性が叫ばれているが、トストはこれにも否定的な見解を示した。
「このワークライフバランスとか、そういうくだらない話は全く無意味です。そんなものは必要ありません。それは働くのが嫌いな怠け者のためのものです」と一蹴した。
■ さらなるレース数の拡大を提言
一部からは「テストを増やし、レース数を減らすべき」との意見もあるが、トストはこれを完全に否定。「テストなんて無意味です。F1はレースで稼ぐものです。レースが多いほどF1は儲かるのです」と断言した。
F1が過密スケジュールであると指摘される一方で、トストはさらにレースを増やすべきだと考えている。
「年間52週間あるのですから、2週間ごとにレースを開催すれば26戦も可能です」と主張。
「私は今、引退したからこう言っているのではありません。以前からずっとそう言ってきました。元同僚たちと激しい議論を交わしました。彼らは『18から20戦が限界だ、それ以上は多すぎる』と言っていました」と強調した。
■レーシングチームか、それともホリデーチームか?
「私はいつも彼らに尋ねていました。『あなたたちは何者ですか?レーシングチームですか、それともホリデーチームですか?』とね。」
過密日程への批判が続く中、トストの発言は物議を醸しそうだ。