記事要約
・レッドブルのヘルムート・マルコ博士は、リアム・ローソンに「フェルスタッペンは無敵」と認めるよう助言した。
・ペレスの不振でレッドブルはコンストラクターズタイトルを逃し、ローソンに「ポイント獲得役」としての期待がかかる。
・マルコはローソンを角田裕毅よりも「地に足がついた性格」と評価し、彼のF1定着を期待している。
■ ローソンに課せられた「フェルスタッペンのサポート」
レッドブルのアドバイザーであるヘルムート・マルコ博士は、2025年のF1シーズンに向けてリアム・ローソンに「フェルスタッペンを打ち負かそうとするのではなく、彼の速さを認めて走るべきです」と助言している。
2024年、セルジオ・ペレスの不調によってレッドブルはコンストラクターズタイトルを逃し、マクラーレンとフェラーリに次ぐランキング3位に終わった。その結果、チームはペレスを放出し、23歳のローソンを起用する決断を下した。
■ チームの不満と新たな雰囲気
「我々の従業員はコンストラクターズランキングに応じたボーナスを受け取ります。ボーナスには段階があり、かなりの額です。マクラーレンとフェラーリに次ぐ3位に終わったことでファクトリー内は明らかに失望感が漂っていました」とマルコは『Servus TV』に語った。
しかし、ローソンの加入によって「チーム内の雰囲気は一変し、新たなエネルギーが生まれています。リアムはまだ若く、熱意に満ちています」とも述べている。
■ 「ポイント獲得役」に期待
マルコは、フェルスタッペンがナンバー1であることを隠そうとしていない。レッドブルにとって最も重要な選手権はどちらかと尋ねられると「ドライバーズタイトル」と明言。その理由として「レッドブルは自動車メーカーではありません。我々にとって最も重要なのは人です。」
ローソンに求められるのはフェルスタッペンに匹敵する速さではなく、コンマ数秒まで迫り、「ポイントを確実に持ち帰ること」だと明言し、フェルスタッペンを倒そうとする熱意を抑えるべきだと忠告している。
「彼は自分自身のスタイルを確立する必要がありますが、『どうやってマックスを倒すか?』と考えるのは間違いです。それが過去のチームメイトたちの失敗でした。フェルスタッペンは現在無敵であり、それはしばらく変わらないでしょう」と警告した。
■ 角田裕毅よりも評価された「地に足のついた性格」
また、マルコはローソンが角田裕毅よりも「落ち着いた性格」であることを理由に起用を決めたと明かしている。
「リアムはとても現実的な人です。ニュージーランド人は、しばしばそのような現実主義者なので、それが我々が角田裕毅よりも彼を好む理由です」と評価している。
■ レッドブルの求める「理想のナンバー2」
マルコ博士がローソンを選んだ背景には、レッドブルが明確に「ナンバー2ドライバー」を求めていることがある。現状、フェルスタッペンは圧倒的な実力でエースとして君臨し、世界選手権4連覇を達成している。
そのため、チームにとって最も重要なのは、ナンバー1ドライバーの邪魔をせず、確実にポイントを獲る安定感のあるドライバーということだ。
この役割において、ローソンは「適任」と判断された可能性が高い。
今回、マルコ博士の発言によって、ローソンが「地に足のついた性格」と「安定感」を評価され、角田裕毅ではなく彼が選ばれた理由が明らかになった。
しかし、F1では1年で状況が一変することも珍しくない。
角田が2025年シーズンでさらなる進化を遂げれば、再びトップチームのシート争いに食い込むチャンスは十分にあるだろう。