記事要約
・角田裕毅が正式にレッドブル・レーシングへ昇格する可能性が高まり、その後は厳しい現実に直面することになる。
・レッドブル・レーシングのセカンドドライバーとして求められるのは「安定した速さ」であり、フェルスタッペンとの比較に焦らず、確実に結果を残し続けることが重要となる。
・2025年が勝負の年となり、角田裕毅にとっては日本人初のトップチーム入りのチャンスを生かすため、鈴鹿サーキットでのデビューが大きな意味を持つ。
■ 角田裕毅、F1トップチーム入りのカウントダウン
日本人初となるF1トップチーム入りがカウントダウンを迎えている角田裕毅(レーシングブルズ)だが、正式にレッドブル・レーシングへの昇格を果たせば、喜びもつかの間、すぐに厳しい現実に立ち向かわなければならない。
■ セカンドドライバーとして求められる「安定感」
トップチームのセカンドドライバーへの風当たりは今までとは比にならなくなる。特に比較対象になるのが歴史に名を残した4年連続F1チャンピオンのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)ならなおさらだ。
角田裕毅はすでにトップクラスの速さを持っている。そうでなければ何度も昇格の噂は出てこない。これから求められるのは「安定感」だ。今までよりもさらに自分に集中し、フェルスタッペンとレッドブル・レーシングの仕事のやり方を吸収し、落ち着き、ミスなく確実に結果を残し続ける「安定した速さ」がセカンドドライバーには求められる。
■ フェルスタッペンとの比較を超えて
フェルスタッペンの速さは驚異的だ。どんなに乗りにくいマシンでも乗りこなしてしまう。しかも速いことを証明してきた。角田裕毅はフェルスタッペンの速さに焦らず、参考にしたとしても比較せず、いきなり実力を見せつけようとしなければ、徐々に結果はついてくるはずだ。
■ 2025年が勝負の年、契約最終年での結果がカギ
角田裕毅はこれまで4年間、世界で20人しかいないF1ドライバーの一人として成長してきたが、今年は契約が切れる5年目で勝負の年。2026年はホンダがパワーユニットを供給するマシンに乗ることはないため、ここで結果を残さなければF1ドライバーとしても後はない。
■ 日本人ドライバーとしての絶好のチャンス
このチャンスは角田裕毅のみならず、日本人にとっても、驚くべきことだ。日本人ドライバーがF1で表彰台はおろか優勝も狙えるトップ4チームに加入し、世界でわずか8人しかいないドライバーの一人になる絶好のチャンス。角田裕毅が置かれた状況は非常に厳しい。しかしどんな状況下での昇格となっても、速いドライバーは必ず結果を残してきた。辛抱強くチャンスを待てば、表彰台のみならず優勝のチャンスも見えてくる。
■ 鈴鹿サーキットでのデビューが意味するもの
角田にとって唯一の光は、スクール時代(SRS、現HRS)に走り込んで隅々まで知っている鈴鹿サーキットでのデビューになるかもしれないということだ。ここで活躍すれば佐藤琢磨(プリンシパル)や中野信治(エグゼクティブ・ディレクター)はもちろん、若き後輩たちがさらに夢と希望を持つことになり、もっと多くのドライバーが世界一を目指して切磋琢磨するだろう。
■ 角田裕毅、F1ドライバーとしての新たな一歩
鈴鹿サーキットで育った角田裕毅が、ホンダのパワーユニットを搭載したトップチームのF1マシンで、歴史に名を残した現役F1チャンピオンのチームメイトとして走り、一人のF1ドライバーとして世界で活躍する。
完璧すぎるシナリオとなるかは角田裕毅、本人次第だ。