記事要約
・レッドブルのマルコ博士は、リアム・ローソンをレーシングブルズに戻す決断が「彼のキャリアを救う」ためだと説明
・ローソンの不振について、マルコ博士は「プレッシャーの中では悪化していただろう」と判断
・角田については「冬の間に成長し、今はより安定している」と評価、鈴鹿での経験も起用の決め手になったと語った
■リアム・ローソンの“降格”は「キャリアを救うため」
レッドブルのアドバイザー、ヘルムート・マルコ博士は、リアム・ローソンを再びレーシングブルズに送り戻す決断について、「彼のキャリアを救うため」だと語った。
ローソンは2025年のF1シーズン序盤、オーストラリアGPと中国GPの2戦で期待外れのパフォーマンスを見せたことで、角田裕毅とシートを交代することが決まった。
「彼のキャリアを救うために、レーシングブルズに戻すことにした」とマルコ博士は『Servus TV』に語った。
■F1関係者からは同情の声も
この決断に対して、F1界からは23歳のニュージーランド人ルーキーに同情の声が広がっている。元F1ドライバーのギド・ファン・デル・ガルデは、この交代を「いじめのような仕打ちだ」と批判。
インスタグラムでは、同じオランダ出身のマックス・フェルスタッペンもこの投稿に「いいね」を付けており、何らかの共感を示している様子だったが、今は取り消している。オスカー・ピアストリ(マクラーレン)もこれに「いいね」を押している。
■マルコ博士「今のマシンはフェルスタッペンしか乗りこなせない」
レッドブルは2025年型マシンについて、「マックス以外のドライバーにとっては極めて扱いづらい」と認めている。
「これまでのすべての年で、マックスだけがこのマシンを最適に操ることができました」とマルコ博士は語り、「若手ドライバーにとってはさらに難易度が高い」ことを認めた。
「リアムをそのまま乗せ続けていれば、プレッシャーの中でさらに悪化した可能性があります。セカンドチームがあるからこそ、彼はリラックスした雰囲気の中で再起するチャンスを得られます。レーシングブルズで彼は再び土台を築けるでしょう」と説明している。
■角田裕毅の評価が急上昇
マルコ博士は、当初ローソンを角田より優先した理由について、昨年の角田は「一貫性を欠いていた」ためと語っていた。そして、「ローソンはより精神的にタフだと思った」ことを理由に、当初、角田を2025年のシートから外すという決定を正当化していた。
しかし、なぜ今、突如として角田がトップシートにふさわしいと判断したのか?「角田は冬の間に一歩前進したことが見て取れました。人間的にも強くなっています。そして日本人として鈴鹿を熟知していることも評価した要素の一つです」と語った。
「角田は一貫性を欠いていました。だからこそ、満場一致でローソンに決めました。しかし、オーストラリア初日から増大するプレッシャーに対応できず、結果を残す事ができませんでした。下降スパイラルに陥りました」
「まるでボロボロになったボクサーのようで、あそこから抜け出すのは非常に難しいのです。そういう意味では、それは間違いでした」と認めている。
■コンストラクターズ争いにも影響
実際、ローソンの現在のパフォーマンスでは、レッドブルがコンストラクターズ・チャンピオンを争うのは難しいという。
「彼がこれまでやってきたことは、明らかに足りなかった」とマルコ博士は『Österreich(オーストリア)』紙に語り、「チームの戦術のためにも、我々には強力なセカンドドライバーが必要です」と強調した。
チャンピオン獲得の命運を託されたのは角田裕毅。鈴鹿サーキットのスクールを卒業し、F1で4年の経験を重ね、精神面でも大きく成長した24歳が、再び鈴鹿から物語を刻み始める。