・中東の紛争でF1開催が危ぶまれ、トルコが代替候補に浮上
・FIAは安全を最優先し、2027年復帰予定だったトルコGPの早期復活を検討中
・情勢が秋まで長引けば、今季の中東戦を完全に断念する構え
FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは、中東地域で続く紛争の影響により2026年シーズンのカレンダーが乱れた場合、トルコGPが予定より早く復帰する可能性があることを認めた。
今年初め、イランとの紛争によりバーレーンGPとサウジアラビアGPが中止に追い込まれたが、シーズン終盤に控えるカタールGPとアブダビGPについても、開催を危ぶむ声が強まっている。
サウジアラビアGPとバーレーンGPは、中止となったレースを年内の後半戦へ振り替えることを依然として望んでいる。しかし、ビン・スライエム会長は、治安状況がさらに悪化するようであれば、開催の強行はあり得ないと断言した。
こうした背景の中、FIA会長はトルコのイスタンブールが現在、現実的な「代替案」であることを認めた。
「カタールGPについては1週間遅らせて、全体のスケジュールを後ろにずらすことも可能です。あるいは、もしホモロゲーション(※FIAのサーキット公認)が最終承認され、その他の条件が満たされるのであれば、今年中にトルコGPを開催する可能性もあります」
トルコはすでに2027年から5年間の開催契約を結んでいるが、悪化の一途を辿る情勢を受け、復帰計画が急加速する可能性が出てきた。ビン・スライエム会長によれば、F1は現在、複数のシナリオを積極的に検討しているという。
「物流の観点から、最善のシナリオを見極めている段階です。プロモーターたちとも協議を行っています。最善の選択肢を定義し、状況を可能な限り簡素化し、スタッフに過度な負担を強いることのないよう努めていきます」
また、アラブ首長国連邦(UAE)出身でもあるビン・スライエム会長は、モータースポーツよりも地域で展開されている人道的な状況が優先されるべきだと強調した。
「モータースポーツよりも大きな問題があるのです。それは我々の生活そのものであり、社会の変化であり、あの地域の人々が抱えている計り知れないストレスです。スポーツは待つことができます。何がより重要でしょうか? 人々か、それともモータースポーツか。優先順位は、常に人々にあるのです」
さらに彼は、紛争の最中において自制心を示している湾岸諸国の指導者たちを称賛した。
「政府のリーダーシップについて言えば、報復を控えた彼らの対応は非常に賢明でした。報復をしないということは、多大なる精神的な強さを必要とするものです」
その一方で、もし戦争が秋まで長引くようなことがあれば、最終的にF1はその地域から完全に撤退せざるを得ないだろうと警告した。
「あってはならないことですが、もし10月や11月まで(紛争が)長引くようなことがあれば、単純に行くことはできなくなるでしょう。安全が第一だからです」と、ビン・スライエム会長は心中を明かした。
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