記事要約
・角田裕毅はレッドブルからの期待に応える形で2025年シーズンを継続起用される見通しだ。
・サウジアラビアGPのFP2ではクラッシュを喫したが、マルコ博士は「フェルスタッペンとの差も満足」と評価し、角田も手応えを得ている。
・一部からは強気な発言への皮肉もあるが、角田本人は動じず、バーレーンGP後の緊迫した会議でも冷静さを保っていた。
レッドブルは、角田裕毅のここまでのパフォーマンスに満足しているようだ。開幕戦オーストラリアGPと第2戦中国GPでリアム・ローソンが後方に沈む結果となったことを受け、レッドブルはローソンを外し、角田をレッドブル・レーシングに起用した。
まだマックス・フェルスタッペンとの間には明確な差があるものの、ヘルムート・マルコ博士は「マックスとの差も非常に満足できる」と評価。日本GPとバーレーンGP終了後には、2025年シーズンの残りも角田を起用する方針を明言していた。
■サウジでのクラッシュにも動じず「スピードはいい」
しかし、サウジアラビアGPのフリー走行2回目では、角田がクラッシュを喫した。それでもマルコ博士はまったく動じておらず、「スピードはいい。マックスとの差も申し分ない」とコメントしている。
角田自身もドライビングスタイルとセットアップがフェルスタッペンと似ていることから「クルマのフィーリングはとても良かったです」と語り、ロングランとショートランの両方で快適に感じていたという。
■「期待には応えている」自信を見せる角田
「もちろんまだ学んでいる最中ですが、その一方である程度の速さを見せなければならない立場でもあります」と角田は語る。
「でも予選と決勝でレッドブルが求めるところにいられるのであれば、フリー走行は貴重な学習の機会として使えます。自分のポテンシャルを完全に引き出せれば、たぶんマックスに勝つこともできると思います」
■ベテランドライバーの“忠告”も
一方、フェルスタッペンと同郷のレーシングドライバー、レンガー・ファン・デル・ザンデは、角田の強気な姿勢に対し「“小柄な男が大口を叩いている”」ように見えると冗談交じりに語った。
「でも、マックスに勝てるなんて本気で思わない方がいい。みんなが『今度こそ』って思っても、結局マックスには勝てないんだよ」
ユウキの良いところは、そういたことをまったく気にしていないように見えることだ。少し口が悪いけど、とてもリラックスしている。クラッシュした時も、本人はちょっと面白がってたくらいじゃないか」と語った。
■バーレーンGP後の“修羅場”にも平然
バーレーンGP後のチーム内では「口論や緊迫した会議があった」との報道も出ていたが、角田は冷静だった。
「まあ、レース後のミーティングはあまり良い雰囲気ではなかったですね。みんながレースについての気持ちをぶつけ合っていた感じでした。ボスたちが何を話していたかは知りません。たぶんマックスは別のミーティングをしてたのかもしれませんね、よくわかりませんけど」と振り返っている。
■トップチーム入りした角田、注目の"大きさ"は証明された
王者フェルスタッペンの長年のチームメイトを務めたセルジオ・ペレスも、常に賛否両論の声にさらされながら、世界中から注目され続けてきた。
同様に、今回の角田に対する意見の数々も、トップチームのトップドライバーの仲間入りを果たした彼の一挙手一投足に、世界が注目している証だと言えるだろう。良くも悪くも、その立場は“特別”なのだ。
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