記事要約
・ハジャーはレッドブル昇格の噂に対し「怖いし準備できていない」と明言
・マルコはハジャーを「驚異的」と評価、将来の昇格候補として期待
・RB代表は引き抜き回避を希望、本人も現状での成長に前向き
■ハジャー昇格論が再燃も「今は怖いし、準備はできていない」
マックス・フェルスタッペンのチームメイトにハジャーを――。そんな声が高まる中、当のアイザック・ハジャー本人は「自分はまだ準備ができていない」と率直に認めている。
今季序盤でリアム・ローソンをわずか2戦で降格させたレッドブルは、後任の角田裕毅をいかに戦闘力のあるドライバーに育てるかに取り組んでいる。しかし、レッドブルの技術責任者ピエール・ワシェは「フェルスタッペンと角田のギャップは、トップチームとして理想的な状態とは言えない」と語り、課題が残っていることを示唆している。
ヘルムート・マルコも「角田はレースでは良い仕事をしているが、予選では苦しんでいる」とし、「特に状況の変化に弱い。彼にとっては毎セッションが未知の領域だ」と地元紙『クライネ・ツァイトゥング』に語った。
そして期待されているのが、次の“リスト上のドライバー”であるハジャーだ。マルコは「彼は驚異的だ。どのサーキットでも強く、初めてのコースでも遜色ない。彼のF1デビューは我々の期待を上回っている。間違いなく素晴らしい未来が待っている」と絶賛している。
■RB代表は「手錠が必要」と冗談も
一方、レーシングブルズのCEOピーター・バイエルは「彼を手錠でこのチームにつないでおかないと」と冗談を交えながらも、若き才能を現段階で引き抜かないよう強く望んでいる。
カナダGP前には、ある記者が「今のタイミングでレッドブルに昇格するのは、むしろキャリアに悪影響だ」と水を差す場面もあったが、ハジャーは「そう言われるのももっともです」と答えた。
「ユウキ(角田裕毅)もリアムも才能あるドライバーです。だからそう考えるのは自然なことです。僕はただ、“興味がある”というだけ。マックスの隣でどうなるのか見てみたい、それだけです」
ただし昇格の話には明確な不安も抱いている。
「怖いですし、まだ準備はできていません。それは事実です」とハジャーは断言する。
「今は経験を積む時期だと思っていますし、この場所で過ごす毎週末がとても楽しいです。毎回多くを学べていますし、このクルマにもしっかり順応できています。まだ本当に難しいマシンを扱った経験はないですから。これからどうなるか見ていきたいです」
「レッドブルのジュニアとして、最終的にはそこを目指すのが当然ですけどね」
元チーム代表のフランツ・トストは「昇格前には最低でも3年の準備期間が必要」と語っていたが、それについてハジャーも「それは妥当な意見だと思います。もっと早く上でやれる人もいるけれど、彼の言っていることは理にかなっています」と同意を示した。
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