記事要約
・バスール代表の去就に注目、後任候補にWEC成功のコレッタ
・フェラーリ会長の信頼厚いコレッタ、ホーナーの名も浮上
・バスールはル・マン制覇のクビサを称賛、安定性の重要性も強調
■フェラーリのバスールに逆風…後任候補はWEC成功の立役者コレッタ
フェラーリのフレデリック・バスール代表を巡る憶測と批判が渦巻くなか、当人はル・マン24時間で優勝を果たした元同僚ロバート・クビサを称賛した。
バスールの後任として2026年以降に名前が挙がっているのは、フェラーリのWEC(世界耐久選手権)部門を率い、成功を収めてきたアントネッロ・コレッタだ。なお、クリスチャン・ホーナーの名前も噂されている。
■エルカン会長の信頼厚いコレッタ
伊紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』のルイジ・ペルナは「バスールが議論の的になるのは当然だ」と述べた。
「ル・マンで“フェラーリの奇跡”を起こした男、コレッタの名前が代役候補として浮上するのは驚くことではない。ジョン・エルカーン(フェラーリ会長)の信頼も厚く、バスールはチームの成長不足と内部の疑問視される決断の責任を問われている。彼の契約もまもなく満了を迎える」
■クビサの勝利を称えるバスール
一方でバスールは、週末に行われたル・マン24時間レースでフェラーリのハイパーカーを駆り、見事勝利を飾ったクビサを称えた。
「ロバートとは親しい関係にあります。アルファロメオ時代に2年間一緒に仕事をしましたし、それ以前もフォーミュラ・ルノーで関わっていました。彼の成し遂げたことは本当に信じられません」と語る。
「(2021年F1オランダGPで)キミ・ライコネンがコロナにかかったとき、土曜の朝に急きょザントフォールトで彼の代役として出走したのですが、その年は一度もそのマシンを運転していなかったんです。しかもピットレーンは狭いし、ステアリング操作もクラッチ操作も大変でした。それでも彼はセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)と最終コーナーまでバトルを繰り広げました。あれは本当に素晴らしかった。波乱のキャリアでしたが、それでもあれだけの結果を出したことが嬉しいです」
■WEC成功の鍵は「安定性」
また、自身の去就が揺れるF1部門とは対照的に、WECチームの成功理由についても言及した。
「ル・マンチームの強みの一つは“安定性”だと思います。運営側の経験と継続性が大きな要因です。この安定性は非常に重要な要素です」
■ハミルトンも“舞台裏”に言及
そして、F1チーム内の混乱については、今季からフェラーリに加入したルイス・ハミルトンも示唆している。
「言いたいことはたくさんありますが、今は言えません」とカナダGP後に語ったハミルトンは、「舞台裏ではいろいろなことが起きています。自分の目標は、将来的に成功につながるような前向きな変化に影響を与えることです」と続けた。