・フェルスタッペンがタイトル争い断念の姿勢、61点差に後退
・レッドブル幹部も「逆転は不可能」と悲観的な見解を示す
・シルバーストンで最後のアップデートも、巻き返しは困難か
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が2025年のF1ワールドチャンピオンを狙うのは、もはや不可能に近い——。そんな厳しい見方がチーム内からも示され始めている。
母国チームのホームグランプリであるF1オーストリアGP決勝。フェルスタッペンは1周目のターン3で、メルセデスのルーキー、アンドレア・キミ・アントネッリと接触し、リタイアを喫した。
フェルスタッペンは以前からアントネッリを評価しており、今回の件についても冷静に受け止めている。
「誰にでもああいうミスはある。僕にとっては大したことじゃないですよ」と語ったフェルスタッペンは、現時点でランキング首位から61ポイント差に後退している。ただし、もし彼が本気でタイトルを狙っていたなら、反応は違っていたかもしれない。
「今後はもうこの質問(チャンピオン獲得について)はされないことを願っています」と、記者の問いに対して答えた。
18歳のアントネッリは何度も謝罪したという。「僕らはすごく良い関係にあるし、誰もわざとぶつけたりしません」とフェルスタッペンは語っている。
チームのアドバイザーであるヘルムート・マルコも深刻な表情で、レッドブルの母国グランプリに失望を隠さなかった。
「今日は本当に真っ黒な一日だった。この差を埋めるには、何かとてつもないことが起きない限り無理です。もうチャンピオンシップは終わったと考えなければなりません」
チーム代表のクリスチャン・ホーナーも同調する。
「今はオスカー(ピアストリ)とランド(ノリス)の争いに見えます。彼らがどうやって戦っていたかを見れば、他のマシンとの差がどれだけ大きいかが分かります」と語った。
実際に優勝争いを繰り広げたマクラーレンのオスカー・ピアストリも、想像以上の速さに驚いたという。
「まだマックスを除外してはいないけど、今回の僕たちのペースはすごく良かったです。これを維持できれば、楽になると思います」と『Viaplay』に語っている。
レッドブルは今週末のF1イギリスGP(シルバーストン)で、今季最後となるアップグレードを投入するとみられている。だが、フェルスタッペンの期待は控えめだ。
「たぶん(マクラーレンとの差は)埋まらないと思います」と語ったうえで、「チーム全員が100%の力を出してくれているのは分かっていますし、それ以上は求められません。ただ、やれることをやるだけです」と前を向いた。
「私たちは普段、高速コーナーでは強さを見せていますが、マクラーレンの速さは異常です。勝てるとは言えません」と語っている。
こうした状況を受けて、フェルスタッペンの将来に関する憶測も再燃している。これまでも何度となく取り沙汰されてきた移籍の噂だが、本人がレッドブル・レーシングの限界を感じているとすれば、その現実味はこれまで以上に高まっていると言える。
●【F1イギリスGP】F1-LIVE速報
●【F1イギリスGP】2025年F1開催日程・タイムスケジュール・結果