フェラーリに“言えない問題”浮上…ルクレールもハミルトンも異常を証言、「スーパーボス」構想が進行中

2025年07月13日（日）11:39 am

・ルクレールがフェラーリに「奇妙な問題」があると示唆、高速域で深刻化

・バスールも詳細非公表ながら問題認める、独報道ではパワステ異常の可能性

・バスール体制見直しも検討中、CEOヴィーニャが“上司役”新設を模索か

フェラーリの2025年シーズンにおける低迷には、まだ明かされていない「別の原因」がある可能性が浮上してきた。

フェラーリは最近、新型のフロアを導入し、スパでの初使用が予定されている新リアサスペンションも準備している。しかし、F1イギリスGP終了後、シャルル・ルクレールはより根本的な問題の存在をほのめかした。

「バランスの問題でもグリップの問題でもないんです」とルクレールは語った。「詳しくは言えないんですが、クルマに非常に奇妙な何かがあって、それと戦わないといけないんです」

「特に高速域でその影響が大きくなってしまって、より困難になります。解決できることを願っていますが、詳しいことは話せません。申し訳ありません」

フレデリック・バスール代表もこの件については口を閉ざしたままだ。

「シャルルが“言わない”と言ったので、私もチームの方針に従って言えません」とフランス人のバスールは語った。

「修正は可能ですが、確かに我々はある問題に苦しめられています」

独『Sport1』は、問題の正体がパワーステアリング・システムにある可能性を報じている。特に高速走行時に一貫した作動ができていないという。

同じくシルバーストンでルイス・ハミルトンも「このクルマには来年に引き継げない部分が確かにある」と語っていた。

こうした噂が飛び交う中、フェラーリのフレデリック・バスール代表はチーム内での立場においても正念場を迎えているようだ。F1イギリスGPの場で、フェラーリCEOのベネデット・ヴィーニャは、バスールの契約延長について「現在協議中」と明かしている。

『コリエーレ・デロ・スポルト』によれば、ここ数戦ではバスールの動向をフェラーリ首脳陣が直接見守っていたという。

「モントリオールではピエロ・フェラーリが、オーストリアでは人事部門責任者のミケーレ・アントニアッツィが、そしてシルバーストンではヴィーニャが現地で視察していた」と同紙は報じている。

ヴィーニャCEOは、マクラーレンやザウバー-アウディが採用するような“二重構造”のマネジメント体制に興味を示しているとされる。

「エルカーン会長は、バスールの上に“スーパー・ボス”を置くことで、彼の監督体制を恒久化する案を検討している。その役職は、マクラーレンにおけるザック・ブラウンとアンドレア・ステラ、ザウバーでのaとジョナサン・ウィートリーのような関係性に近い」と『コリエーレ・デロ・スポルト』は伝えた。

だが、バスールがそのような制約を受け入れるかどうかは不透明だ。2023年の就任当初、彼はジョン・エルカーン会長に対して「ヴィーニャCEOの干渉を受けない完全な裁量権」を求め、それを手にしていた経緯がある。

「だからこそ今、そのフルパワーを持つバスール自身が議論の対象となっている」と同紙のフルヴィオ・ソルムス記者は述べている。

シルバーストンでこの問題について問われたバスールは、短くこう答えた。

「交渉が必要です。それが今我々のやっていることです。」