・フェルスタッペンがメキース新代表を高評価、「技術的会話がしやすい」
・ホーナー退任後、チームの雰囲気は良好とコメント
・決勝は雨次第で巻き返しに期待も、マクラーレンの速さを警戒
クリスチャン・ホーナーの退任によって、レッドブル内部の雰囲気が好転しているとマックス・フェルスタッペンは語った。新たにチーム代表となったローラン・メキースは、初陣となったF1ベルギーGPの週末から好印象を与えているという。
「雰囲気はとても良いよ」とオランダメディアに語ったフェルスタッペンは、最近のチーム内の変化に対して緊張感はないとした。2027年以降の契約において、レッドブルを自由に離れる権利を求めているとされるフェルスタッペンにとっても、ホーナーの退任はその道を開く一因と見られている。
メキースの“技術畑”出身という経歴について、フェルスタッペンは「技術的な素養がある人なら、自然と技術的な会話がしやすくなる。それは普通のことだよ。彼は単に別のタイプのチーム代表なんだ」と評価した。
ホーナー時代にはそうした要素が不足していたのかと問われると、「いろいろと話し合いはしていたけど、そこはチーム内のことだからね」と明言は避けた。
一方で、メキースは「人当たりが良い」と評されており、フェルスタッペンも変化を前向きに受け止めている。「チームにはそういう要素が必要だったのかもしれない。僕は彼と気が合うし、それはチームにとってもプラスだよ。これから数週間、数カ月の間にもっと深く関われるようになるといいね」と語った。
今のF1において“エンジニアタイプの代表”が不可欠かと問われると、「どうだろうね。正直に言って、そういう議論をここで30分もしたくはないよ。でも、みんながいいムードでハッピーなのは確かだ」と笑ってかわした。
予選では高ダウンフォース仕様を選んだ影響で3番手圏外に沈んだものの、フェルスタッペンは冷静だ。「僕はいつもマシンの感触には現実的に向き合ってる。他の車のオンボードを見れば、必要な情報は分かる」とし、チャンピオン争いに楽観的なヘルムート・マルコ博士の見解に対しても「ヘルムートはクルマに乗ってないからね」と釘を刺し、「前向きでなければならないことは理解しているよ」と理解を示した。
とはいえ、チームへの献身は変わらないと強調する。「誰がチームを率いていようと、僕は常にベストを尽くす。それが僕の仕事であり、チームが僕に求めていることだから」と語った。
現場では暫定レースエンジニアとしてサイモン・レニーがサポートしており、「彼とは本当にうまくやれてる。すぐに状況に適応してくれて、一緒に仕事するのが楽しい」と満足げに話した。
元F1ドライバーのホー・ピン・タンは『Viaplay』で、予選のストレートでフェルスタッペンが「直線スピードで見れば“最速からほぼ最遅”に変化した」と指摘しつつも、「日曜のためには正しい選択かもしれない」とコメント。マルコ博士も「我々は明らかに雨に期待している」と話しており、日曜日の天候次第では巻き返しの余地がある。
それでもフェルスタッペンは慎重な姿勢を崩さない。「マクラーレンはどんなコンディションでも最速のクルマだ。雨でも同じことが言える」とした上で、「雨のスパでは後方のドライバーは前がほとんど見えない。それは理想的じゃないし、せいぜい1つポジションを上げられるかどうかだろうね」と語った。
そして2026年以降の去就については、『Auto Motor und Sport』が匿名の現役ドライバーの声を紹介。「間違えるなら、今いるチームで間違えたほうがいい。2026年になれば、もっと多くの情報をもとに良い判断ができるだろう」との見解も伝えられている。
その匿名ドライバーが移籍を検討しているフェルスタッペンなのか、別の誰かなのかは明らかにされていない。今後の動向に注目が集まる。
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